赤月

□五章〜痛み〜
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『・・・・・はぁ』




【あの頃の名無しさんは・・・死んだのだから・・・】



死んだ、か



よくもまぁ私もあそこまで言えたもんだ。
こんな臆病者が。


『学校も一緒だってのに』



くそ、しくじった。舌打ちしながらもコーヒーを口内に流し込んだ。

『苦・・・・』



私の舌に、コーヒーの苦さがしみこんでくる。

『せっかく・・・お兄ちゃんに会えたのに・・・せっかく・・・』



ずっとずっと探していたトシにぃ。
でも、せっかく見つけ出したのに、なんだか全然うれしくない。


逆に、黒い渦がモヤモヤする。


『お兄ちゃんにあえてうれしいよ?・・・でも、苦しい・・・・ど、すればいい?』



(そうだな、まずは名無しさんが素直になることからだと思う)



(そうよそうよっ!思い切って、会いたかったよお兄ちゃんッて言ってあげればいいのに!)


『ちょっ、ジ・エンド・・・モニカ・・・それは絶対無理』


ふ、と目の前にユニットたちの姿が現れる。
私はPSYクオリアの完全体の持ち主。
極限のPSYクオリアを持っている私は、こうしたユニットたちの姿を見ることができる。



『ちょっとぉ・・・オーバーロード、ガンルー、二人を止めて』


((無理だ))



ふ、ふ、とガンルー、オーバーロードの姿が現れる。



(ちょっとー何勝手に出てきてるのよぉー!)


(モニカうるさいぞ。そんなんだから主にあきられてしまうんだ)


(ジ・エンドもなかなかうるさいぞ)


(オーバーロードもな)



『みんなうるさいわよ』



こうなるとなかなか止まらない。

一時間でも一日でも一週間でもあきずになっているときがある。


(もうこんな奴と一緒のチームいやよ!)



(じゃあ名無しさんさまのデッキから出ていくことだな)



(くっ・・・・それだけはいやよ!)



『ふふっ、ありがとねモニカ。私はいつもあなたが絶妙なタイミングで出てきてくれているからいつも助かっているわ』



(ううっ・・・名無しさんさまっ・・・!私は名無しさんさまのもとに従えて光栄に思いますわ・・・・っ!!)



(ずるいわー!私はどう?!私は私は???!!)


次々にほかのクランたちのユニットも出てくる。



ロイヤル、ペイル、ネオネ、オラクル・・・・



もう数えきれないくらい。



『ふふふっみんな、みーんな大好きよっ!言葉にならないくらいっ』



全ユニットたちが騒ぎ出した。


本当に、この子たちがいてくれてよかった。
この子たちのおかげで私は、つらい時代を乗り越えられたんだから。



『また近いうちに、戦わせてあげるから』


(かげろうが一番よねっ?)


(いいえ、それは違うわっ!私たちペイルムーンサーカス団よっ!)


(それも違うな。我々ロイヤルパラディンだ)


(いいや違う。俺たちネオ『もういいって』


ずっと同じこと繰り返すんだから。


『それより、これから私は本当にどうすればいいの?・・・正直にいって全然わからないの・・・・』



部屋の中が静かになる。たぶん、みんな真剣に考えてくれてるんだと思う。


そこで、クリムゾンが口を開いた。



(やっぱり、一番いい方法が少しずつ頑張って打ち解けていくしかないわ。それが本当の最善策だと思うの。)



『クリムゾン・・・・うん・・・!わかったわ!頑張ってみる。ありがとう』



(こちらこそ、お役に立てて、光栄です)



明日から、また頑張っていこう。

私の後ろには、こんなに頼もしい仲間たちがいるんだから。
 
『』

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