赤月

□七章〜苦しみ〜
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わかってた。
私が幸せになれないことぐらい。
わかってた。
私は存在してはいけない生き物って事ぐらい。
でも、それでも。
生きていたかった。
だって・・・・
優しくて温かいおにいちゃんがいたから・・・





〜〜〜♪〜〜♪

いきなりのメール着信音に吃驚した。
どうやら私は、あの後学校から帰り、寝てしまったのだろう。
耳元にケータイがおいてあり、しかも音量は最高レベル。
なんて、運の悪いやつなんだろう。

『つか、一体誰よ・・・』

いやいやケータイに手を伸ばした。
気分で寝てたのに。どうしてくれんだまったく。

『・・・・・・・・』

ケータイを開くと、

『はぁ・・・何であいつ私のめるアド・・・・』

何なんだあいつは・・・・
ストーカーかなんかか?
そんな悪いことしたか私が。
櫂&三和ならやるから。要らないし。
まぁ内容を見てみよう。まずはそれからだ。

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##NAMW1####ちゃんへ♪
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こんにちわぁ♪

どうだったぁ莉音の演技ぃ

上手すぎてぇ莉音クラクラしちゃうぅ♪

まぁ、挨拶代わりとしてぇ、今日はこのくらいにしといてあげるぅ♪

明日からぁ徹底的にぃしごいてあげるっ!

あなたが早く観念しないと、櫂君とぉ三和君がぁ餌食になっちゃうよぉ?

ガンバッテねぇ♪

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『・・・・・はぁ』

あきれた。もうそれしか出ない。
なんだコイツは。悪魔か?
ああ魔女か。厚化粧の。
コイツに会うくらいならまだ死んだほうがマシだった。
まぁわざわざコイツのためにこれから先の人生逃したくないし。

〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜♪

今度は電話。一体今日は何回ケータイ開かなきゃなんないの?

『・・・・・はぁ?』

また来た。何で?コイツこそ何で?

『・・・・タイシ?』

おかしくネ?何であいつ私のケータイ番号知ってんの?
まぁいいや。出よう。

『・・・・・・もしもし』

三〔おお名無しさんか!!やっとでたな!!〕

やっとって何だやっとって。

『一つ聞きたい。なぜあなたは私ケータイ番号知っているの?』

三〔ああ・・ってお前に言ったはずだぞ?ケー番とメルアド交換しとくって〕

え?え?

『・・・・いつ』

三〔ええっとなぁ、まぁいいじゃねぇか。〕

よくない。よくないよ。

『・・・・んで、何の用?』

三〔ああ、ええっとな。今から#さだ#ん家行っていい『だめ』即答!!?〕

『ええ。絶対駄目。』

三〔話したいことが『言いたいことはそれだけ?バイバイ』―ガチャ―〕

半ば強引に電話を切り、ベットに転がる。
一体話とは何のことだったのだろうか。
自分で斬っておいて今更気になる。

―ピンポーン―

何なのだろうか。
いきなりピンポーンじゃないだろ。タイミング悪すぎでしょ。
愚痴りながらも階段をおりて、ドアノブに手を掛ける。

―ガチャ―

『・・・・・・』

三「お〜ってお前制服かよ・・・・って閉めないで!!痛、痛いって!」

開けた瞬間なんか変な気配がすると思った。
何でこいつらが今ここにいるんだ。
何でトシにぃまでいるんだ。おかしいだろう絶対。

『一言で済ませるわ。どっかいって。』

三「酷いだろ!まて名無しさん!!いいじゃんか話くらい!!」

私とタイシはいまドアの争奪戦。
このドアが開くか、閉まるか、結果はわからないが。

三「お願いだよって・・・・ってお前猫飼ってんだな」

するとタイシの足元には猫―――私が飼っているニーがいた。
もちろんニーは今の状況がわかっていないのだろう。
私が閉めたら明らかに挟まる場所にいた。

『なっ・・・・ニー、どいて!!っ・・・て、きゃあ!!』




三「結局、俺の勝ちだな。」

『ニーの馬鹿。馬鹿。』

あの後、わたしはニーに顔に飛びつかれ、うっかりドアノブから手を離してしまった。

『・・・早く帰って。」

三「ちょ、酷くねぇ!!?まだ話もしてねぇのに!!」

会いたくなかったのに、と付け足したらまたタイシが騒ぐと思ったのであえて言わなかった。

『・・・はやく用件を済まして。』

三「おお、っつっても、俺はすぐ済むんだけどな」

はぁ、とため息をついてからタイシは話す。

三「率直に聞くぜ。今日のことなんだがな。あいつ・・・莉音のことはどう思ってんだ?」

櫂「・・・・思ったとおりに話せ。」

二人は私に目をやる。まぁなんにせよ答えは一つだ。

『なんとも』

櫂「・・なら何で屋上であんなことになっていたんだ?」

『はぁ・・・・何?あんたらまで私を敵扱い?めんどくさいわねまったく。』

やっぱり、さっき無理やり追い出せばよかった。

三「は?チゲーよ。あいつの下僕になんかなりたくねぇーっての」

おまけに香水くさいし、と付け足したタイシの目は怖いものを見た後の目だった。

『・・・・・屋上で、ねぇ・・別にたいしたことじゃないんだけど』

私は高い天井の方を見上げ、その場所だけを集中して見つめる。

『ねぇ?電磁翔?炎砲龍?』

三&櫂「は?」

?「ええそうねぇ・・・というかあの女ムカつくんだけど。気安く名無しさんに近づいて。名無しさんが穢れたらどうするのよまったく・・・」

?「まったく持ってそのとおりだ。あの女はいやな気配しか感じられない。近づくのはおろか、見ているだけで吐きそうになる。」

『見たまんまの正直な感想ね・・・』


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櫂視点

『見たまんまの正直な感想ね・・・』

驚いた。かなり。驚きのあまり動揺を隠せなかった。
たぶん、それは三和も同じだろう。
#NAME1#が天井に向かって話しかけた。この時点で吃驚なのだが。
さらに返事が返ってきた。すると何なのか。
すぅっと、二人の影が現れた。

『フフ・・・紹介するわね・・・こっちの男のほうは電磁翔、女のほうは炎砲龍よ。』

炎「・・・ねぇ、名無しさん?この二人誰?かっこいいのは認めるけどあんまし、強くなさそう」

電「まぁこいつらは所詮、人間だしな。仕方ないことだろう」

三「う、うう、う・・浮いてる!!!」

三和は俺より驚いていた。
でもどこか興味心身だった。

『この二人は―――』

#さだ#の言葉は途切れた。
すると##NME1##は曇った顔を見せた。

『・・・やっぱなんでもない』

ふい、とそっぽ向いてしまった。
言いたくないのだろうか。
だとしたらなぜ?自分がこんなの操ってると知られたらなんか困ることでもあんのか?
・・・こんなもの先導が見たら腰ぬかして逃げるだろうな。

『・・・・まぁ、別に、屋上ではあいつのいつもの手にかかっただけの話。ねぇ?二人とも』

炎「ええ」

電「ああ」

『・・・・私だけではないんでしょう?あいつの罠に引っかかったものたちは』

三「なっ・・・何でそれを・・・!!」

『このくらいの情報採集なんて簡単なもんよ。』

それに―――、と名無しさんは付け足した。

『私だって・・・・あいつと関係してるから。』

三「は・・・・?」

『まぁそこはどうでもいい。答えるべきことは答えたまだなんかある?』

三「俺はないぜ。だが櫂はある。」

櫂「・・・・」

三「・・・おれは先に御暇しとくぜ。おれがいたら話づらい事もあるだろうし」

そう告げると三和は、邪魔して悪かったな、といって去っていった。

・・・・さぁ、俺の質問はこれからがほんだい。
お願いだから・・・俺の望む答えを出してくれ・・・・

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