十五夜

□1の奇跡
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『・・・・ここが強豪校帝光学校・・・』



桜咲く季節、私はこの帝光中学校に転入する。

別に、私が成績悪かったとか、暴力沙汰がたえなかったとか、そういったものじゃない。


前の学校は、つまらなさ過ぎた。


ただ、それだけの理由。



『期待外れじゃなきゃいいんだが・・・・』



私は新たなる日常に、足を一歩踏み入れた。














「ここが、あなたのクラスです」



『はい、わかりました』



軽くお辞儀をし、お礼を言う。

教師は、いいよと言ってきたら入ってほしい、という。


それに了解し、私は少しばかり廊下で待つことにした。



in  教室



「今日は転校生が来ています。急だとは思いますが、仲よくしてあげてくださいね?」



「「「はぁーい」」」



「転校生か・・・おっぱいでかいやつだったらいいな・・・」


「青峰君の影卒業してもいいですか?」



「うおおおおぃ!」




「はい、じゃぁ入ってきて」



―ガラガラッ!―



勢いよく私はドアを開け無愛想な顔で真ん中に立った。



「じゃぁ、軽く自己紹介を」



『星城名無しさんです。』



・・・・・・・・・・・・・・



「え、あの、もうちょっと・・・好きな食べ物とか・・・趣味とか・・・・」



『好きな食べ物は特にありません。趣味は――』


【っはぁっはぁっ!早くバスケやりたいっ】



【バスケはもうやめたから・・・・】



『・・・特にないです。』




・・・・・・・・・・


「うーん・・・・・さ、最後に一言!」



『よろしくしないでください』

教室内がざわめく。


きっと、彼らからみる私は、性悪女だろう。


「おもしれぇ奴が入ってきたじゃねぇか」



「なかなかやりますね。あのかた」



私は思いもよらなかった。


この二人の出会いが――



私の運命をひっくり返すことになるとは――
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