十五夜
□4の奇跡
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『・・・・・ここが』
はっきり言おう。汚い。
ありえないくらい汚い。
『赤司、悪いんだが席を外せ』
「あ、あぁ・・・・」
赤司は部室から出ていく。さてと・・・・
『ドリンクの作り方教えてやろうと思ったが、これほど部室が汚いとな・・・・』
「うぅ・・・・」
桃井は項垂れていた。
『・・・・安心しろ、俺はわかってる。お前は、選手の情報集めんのに必死なことくらい。だが、もう少し、頑張ろう?な?』
「・・・うん」
『よし、じゃぁ今日だけ、俺がドリンク作ってもいいか?』
「うん!じゃぁ私は掃除してるね」
『ドリンク作り終わったら、手伝おう』
「ごめんね、手伝わせちゃって・・・」
『いいんだ。俺が勝手にしたことだから。それに、こんなにかわいい子、放っておけるわけがない』
「名無しさんちゃんっ・・・!」
桃井は私に抱きついてきた。かわいいなぁ桃井は。
妹みたいだ。
『よし、さっそく取り掛かるぞ』
「うんっ!!」
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「・・・・あれからどうなったろうな」
「確かに・・・・」
『何がどうなったって?』
「・・・いつからそこに?」
『さぁな、おしえねぇ』
私は黒子にそういう。
『急でなんだが、お前ら全員でじゃんけんをしろ。』
「な『早く』
「「「「「「じゃーんけーん」」」」」」」
「ま、負けた・・・?この僕が・・・?」
じゃんけんで負けたのは赤司。
私は、赤司にあるものを渡した。
『はい』
「え・・・・」
『じゃんけん、負けただろ』
おら、と言ってドリンクを赤司に突き出す。
『男だろ?潔く飲むんだ』
「わかったよ・・・・」
彼は渋々ドリンクを受け取り、口に近づけ――
飲んだ。