十五夜

□7の奇跡
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『おーい、ドリンクできたぞ』


「お、サンキュー」


『ガングロに飲ませるドリンクなどない!』


「だからてめぇは俺にだけなんで喧嘩腰なんだっ痛の!」


『お前が気にくわないからだ』


「っあー!!ムカつく!」


青峰と軽い口げんか。いつものことだから、お互い慣れてしまった面のある。


ばっとボトルととり、一気に飲み干す。


「かぁーうめぇ」


『・・・・どうも』


青峰にドリンクをほめられ、少しくすぐったい感じがする。


すると、ドリンクを取りにR人が私の周りに集まってきた。


「・・・・青峰、俺より先にドリンク飲んだな」


「ぁああ赤司!ちげぇ!誤解だ!」


「僕が誤解をしている?そんなはずはない」


「赤チン、一番最後になってるよ〜」


赤司が青峰にドリンクの文句をつけていたらいつの間にか飲むのが一番最後になっていたらしい。

私も気が付かなかった。


「んーやっぱり名無しのドリンクおいしー」


『そういってもらえるとこっちも作り甲斐があるな』


「俺らの好みに合ってるし、あきないように毎日味微妙に変えてくれてるし」


「・・・・練習しながらきつくないか?」


『あぁ、その点については問題はない。体力づくりとなって感謝感激だ』


「そ、そうか」


赤司が若干ひきぎみで私を見る。


「赤司、今日はあの先輩が来る日なんじゃないのか?」


「あぁ、そうだね。そろそろだ」


緑間と赤司が同時に時計を見だす。なんなのだろうか。あの先輩とは。


『征十郎。あの先輩とは?』


「あぁ、病気で一か月ほど入院していたんだ。だが完治したそうで今日練習を見に来るらしい」


『・・・そうか』


病気・・・・一体何の病気だろうか。


にしても・・・・一か月間も入院とは・・・・何をして時間をつぶしたのだろう。


「あの先輩・・・バスケすごく強かったですよね」


「でも赤司に主将の座を取られちゃったのよね」



『さつき』


さつきが後ろから話す。


「赤司君と同じで、一年の時から今まで主将だったんだけど、赤司君に負けっちゃって。っていうか3年生Rにいないし」


『確かに・・・・』


確かにそうだ。レギュラー軍の中でこいつら2年しかいない。


可哀想に3年・・・・追い出されたんだなきっと。


「そろそろ来るはずなんですが・・・」


『時間を守らないとは、とんだ「やっほー元気にしてる?」』


体育館入口から聞こえた明るい声。どこか聞いたことあるよな声がした。


「あっ、星月先輩!」


「退院、おめでとうございます。」


「いやー退屈でさ、脳みそバーンて」


・・・・・・こいつはアホだ。なにがバーンだ。


「あり?その子マネ?」


「ぁぁ、男子バスケ部に新しく入った星城名無しさんです。」


「星城、名無しさん・・・?」


彼は、眼を見開き、私を見つめる。


「名無しさん―――!!!!!!」


『ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!』


見つめるかと思いきや、タックルされる。


いきなりのことでついていけず、私はその場で倒れた。



「名無しさん−−−−!!大きくなったなーー!」


『そのアホっぷり・・・・星月光輝か・・・』


「会いたかったぜー!」

星月光輝。こいつは私の幼馴染。アイツ曰く私とこいつは親友らしい。


私はそう思ってないが。


「なんか・・・・星月先輩のキャラが・・・」


「俺も思ったのだよ」



緑間と黒子が引き気味で星月を見やる。


『離れろ。今すぐにだ』


「いやだね、断固拒否します」


『ほう、そうか・・・なら』


拳を強く握り、腹に決める。


「ホグアッ!」
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