インフニット・ストラトス復讐の翼

□第四話
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放課後・・・


私と織斑君はISの訓練のためアリーナに来ていた。


織斑君は白式を私は学園から借りた打鉄を展開し、戦っている。


ちなみに、篠ノ乃さんとオルコットさんは近くでうらやましそうに私を見ている。


「うおぉぉぉぉぉおおお!」


っと、少しよそ見をしていると、織斑君が突っ込んできた。


私は右手に持ったハンドガンを牽制に放ち、左手のブレードで突きを放つ。


織斑君はハンドガンを避けたが、私の突きを受けて、絶対防御が発動してエネルギーを大量に消費する。


今のが私の専用機なら絶対防御すら貫き、織斑君に重度のケガを与えただろうな。と、思いながら右手のハンドガンを弾がなくなるまで撃ち込む。


そして、エネルギーがゼロになった白式は解除される。


「また、負けちまった。強いんだな沙耶さんって」


「まあ、織斑君の動きって単純だから簡単に予測できるし、白式が接近武器しかないから近づかせなければいいだけだからね」


「はぁ・・・やっぱり欲しいな・・・射撃武器」


「織斑君の場合は瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使えるようになれば勝てるようになるよ」


「はぁ・・・なかなかうまくいかないんだよな・・・」


「まあ、練習あるのみだよ。もう一回やろ」


「おう!頼む」


と、ISのエネルギーを回復させて、再び戦いを始める。







織斑君との訓練を終えた私は自室のシャワー室でシャワーを浴びながら今日のことを考える。


今日は色々あった。特にお昼のあれはちょっとやりすぎたかな?と、思いながら左手を見る。


普段は手袋と長袖のシャツを着て隠している義手。そして、ISの待機状態でもある。恐らく握力ならボーリングのボールを砕くことができるだろう。


まあ、やろうとしたらシールドも張れたりする。ISの疑似的な展開状態とも呼べる。


余り使わない方がいいんだけどね・・・それに・・・

私は前髪を掻き上げてシャワー室の壁に付いてる鏡を見る。


鏡の中にはいつも前髪に隠れて見えないが眼帯がついている。医療用の眼帯では無く海賊映画に出てくる黒い眼帯だ。ちなみに防水性で水を弾き、そして、通気性も抜群。さらに付けていても違和感が全くないすぐれものだ。そのため、私はこの眼帯を外す事はない。

まあ、この眼帯の下には眼球の代わりに義眼が入った目と傷があるだけだけど・・・


さてと、そろそろ上がろうかな。


と、私はシャワー室を出て脱衣で体を拭いて寝間着を着る。


この前、織斑君が部屋に乱入してきた時から着替えは脱衣場でするようにした。左手のことがばれるのはまずいから・・・・・裸を見られるのは嫌だしね。


着替え終わった私は脱衣場を出てベッドに横になる。

今日は疲れたし、もう寝ようかな・・・


と、思っていたらドアがノックされた。


ん?誰だろう?


私はベッドから出て扉の鍵外しを開ける。


「凰さん?」


私を訪ねて来たのは凰さんだった。しかし・・・なんだろう?何か昼間見た活発な凰さんでは無く、大好きな男の子に振られた女の子にしか見えなかった。


「とりあえず中に入ろ。お茶なら出してあげるから」

「うん・・・」


と、私は凰さんを部屋の中に招き入れる。


凰さんとは、織斑君の訓練をする前に話た。とゆうより、凰さんが「一夏のことをどう思ってる?」と、聞いて来たので私は別に特別な感情は持ってない。って言ったらなぜか凰さんの織斑君に対する愚痴が始まり、それを聞いているといつの間にか友達みたいな関係になった。そんな彼女がこんなふうになっていたら放っておくわけにはいかない。


私は凰さんをベッドに座らせて、私は紅茶を入れてあげる。


「はい凰さん。冷めないうちに飲んでね」


と、紅茶を渡すが彼女は首を横に振り受け取ろうとしない。


仕方なく、私は紅茶を入れたカップをテーブルに置いて彼女の横に座る。そして、彼女が話すまでじっと待つ。


「一夏・・・約束、覚えてなかったよ・・・」


と、鳴き声を殺しながら唸るよう声を出した。


織斑君と凰さんの約束。それは、彼女の料理の腕が上がったら毎日酢豚を作ってあげる。という毎日お味噌汁を作ってあげるという愛の告白と同じであり、織斑君はそれを、ご飯をおごってあげる。と勘違いしたみたいだ。


しかし、織斑君は彼女の精一杯の告白を・・・・そこまで鈍感なのか・・・


「うぅ・・・」


と、泣き声を殺して泣く凰さんの肩を抱き胸に抱き寄せて、頭を撫でてあげる。


「泣いていいんだよ。泣きたい時に泣かないと泣けなくなるよ」


「うぅ・・・うぅわぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ」


と、ダムが決壊したかのように泣き出す凰さん。私はずっと凰さんが泣き止むまでずっと撫でてあげた。





「落ち着いた?」


「ぐすぅ・・・ありがとう沙耶」


と、泣き止んだ凰さんに、新しく入れた紅茶を渡してあげる。


「しっかし織斑君も本当に鈍感なんだね」


「そうよ!あいつ、私が何回もアタックしてるのに・・・」


と、愚痴り始める凰さん。どうやら元の凰さんに戻ったみたいだ。


そして、30分ぐらい織斑君の愚痴を言い続けた。そして、私はその愚痴に付き合ってあげた。


「ありがとうね沙耶。おかげで楽になったわ」


「気にしなくてもいいよ凰さん「ちょっと待って」なに?」


「その凰さんっていうのやめない?私は沙耶って呼んでいるんだから私のことは鈴って呼びなさいよ」


「えっと・・・鈴さん」


「別にさんずけじゃなくていいんだけど、まあいいわ。じゃあ自分の部屋に戻るね。ありがとう沙耶。おやすみ」


「うん。おやすみ鈴さん」

と、鈴さんは部屋を出て行った。


さてと・・・もう一回シャワーを浴びようかな・・・

と、シャワー室に向かった。







シャワーを浴びて新しい寝間着に着替えて先程の鈴さんのことを思い浮かべていると、ふと考えてしまった。


私が最後に心の底から泣いたのはいつだろう。


私が泣かなくなったのは父さんと母さんが死んだ時は泣けなかった。いや、泣けなかった。それからは、泣こうとしても泣けなくなってしまった。そして、あの事件の前の記憶が曖昧で覚えているのは父さんと母さんの顔だけ・・・


「鈴さんは泣けるだけ幸せなんだろうか・・・」


と、思わず声に出してしまったけど私はその考えを振り払うようにベッドに横になり、部屋の灯りを消して、眠りについた。

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