インフニット・ストラトス復讐の翼

□第五話
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翌日、鈴さんと織斑君が言い争ったらしいが結局、クラス対抗戦で決着をつけることになった。


そして、クラス対抗戦の日、私は鈴さんの方のピットにいた。実際、今回はクラスで応援するより個人的に鈴さんの応援がしたかった。ちなみに二組の生徒と先生にはちゃんと話を通して、許可をもらった。


「鈴さん。頑張ってね」


「任せなさい!一夏のやつをギッタギタにして、謝らせてみせるわ!」


と、元気良く鈴さんはピットから出ていった。


さてと、私も試合がよく見えるに行きますか。







私はピットからアリーナの観客席で試合を見ていた。

試合は鈴さんの方が有利だった。鈴さんのIS龍甲の第三世代兵器 《龍砲》は砲身も砲弾も見えない衝撃砲だ。織斑君もよく避けた方だろう。


織斑君は瞬時加速(イグニッション・ブースト)の
タイミングを狙っているみたいだ。白式の《雪片弍型》は一撃必殺だ。まだ織斑君にも勝機がある。


そして、織斑君が勝負を仕掛けようとした時、アリーナのシールドを突き破って、ナニかがアリーナに侵入して来た。


それは、全長を2mぐらいある『全身装甲(フル・スキン)』の異形ISだった。


試合は中断。異形ISはアリーナ内にいる二人に攻撃している。


あれは・・・・無人機だ。動きが機械的すぎるし、人の気配を感じない。しかし、無人機なんて今の世界中では作られていない。いや、作れるはずがない。ISは人がいないと動かないはずだ。


しかし、私の中にある考えが生まれた。


ISの開発者の篠ノ乃博士なら無人機も作れるのではないか?そして、何らかの目的があって襲撃したとしたら・・・・


あのISを私が破壊したら篠ノ乃博士の目的の邪魔にならないか?


なら破壊してやる。もしそれが篠ノ乃博士の邪魔になるなら・・・


私は私専用のIS アベンジャー を展開して左腕の腕武器であるパイルバンカーでアリーナのシールドに穴を開ける。


空いた穴が塞がる前に背中にある六枚の翼を広げアリーナの中に入る。鈴さんと織斑君が驚いているのが確認できた。しかし、私はそれを無視して進む。


異形のISは私に向かってビームを撃ってくるが私はそれを普通に避けて瞬時加速(イグニッション・ブースト)で一気に接近する。

そして、左腕のパイルバンカーを突き出し杭を打ち出す。しかし、躱される。


そして、ある程度距離をとる。すると通信が入ってきた。


『貴様、何者だ!所属を言え!』


と、織斑 千冬から通信が入るが無視して切る。


そして、通信を切ると次はアリーナ全体に声が響いた。


「一夏ぁっ!」


と、ハウリングが尾を引くその声は、篠ノ乃さんのものだった。


「なにをしているの!」


と、中継室の方をみる。中には篠ノ乃さんと彼女に気絶させられたと思われる審判とナレーターが見えた。

「男なら・・・男なら、そのくらいの敵に勝てなくてなんとする!」


と、大声でまたハウリングが起こる。そして、異形のISは中継室に銃口を向ける。


まずい!


私は瞬時加速(イグニッション・ブースト)の上級技術である連続瞬時加速(リボルバーイグニッション・ブースト)。そのエネルギーを連続で解放するのではなく一度の加速で解き放つ瞬時最大加速(イグニッション・ブースト・ドライブ)を発動する。ISでGの軽減していてもかなりのGがかかる自殺技だ。


身体中にGがかかり胃のなかの物を全て吐き出しそうになる。しかし、耐える。

しかし、その加速は瞬間移動のように一瞬で異形のISに接近しパイルバンカーの杭を突き刺す。杭は異形のISの絶対防御を貫きそして、異形のISの装甲すら貫いて、最終的には異形のISを貫通した。


私は、異形のISから杭を引き抜き離れる。そして、ある程度離れたら異形のISは爆発した。


私はその爆発を見て思った。これで篠ノ乃博士の邪魔をできた。


そう思った私は少し冷静になり色々やってしまったと、後悔した。


私は地面に降りてISを解除する。


「「沙耶(さん)!」」


と、織斑君と鈴さんが驚く。そして・・・


「織斑、凰、川上を連行しろ」


と、アリーナのスピーカーから織斑 千冬の声が響いた。


「千冬姉!」


と、織斑君が抗議の声を上げる。


「いいよ。織斑君。鈴さん。自分で行くから」


と言って私は織斑 千冬がいるピットに向かって歩きだした。







ピットに入った私は織斑 千冬に身柄を拘束され、学園内の一室に連れていかれた。


「座れ」


「はい」


と、ソファーに座り、織斑 千冬は私の反対のソファーに座る。


「まず井上。ISを渡せ。こちらで一時的に預かる。」

と、織斑 千冬に言われたが・・・


「拒否します」


と、私は言った。それを聞いた織斑 千冬は眉間に皺を寄せる。


「ほう、なぜだ?」


「このISのコアはオーストラリア政府から正式から委譲された物であり。私の所有物です。貴方に渡す必要はない」


「だが、お前は許可なくISを使用した。重大な違反行為だ」


「私は違反行為はしてませんよ。IS公約第二十四条には人命に関わる緊急時はISの展開、また戦闘行為を許可する。とありますよね。先程のISを放置したら生徒たちが危険だと判断しました」


「成る程、お前の言い分はわかった。しかし、なぜ学園に入学した時、専用機の登録をしなかった?」


「無所属のISとその操縦者です。色々狙われると判断したからです」


「わかった。今回はお咎めなしだ。ただし、専用機持ちとして登録をするから、明日、職員室に必要書類を取りにこい」


「わかりました」


と言って立ち、ドアに手を掛ける。そこで、織斑 千冬の方を向く。


「あぁ、先生に。一ついいですか?」


「なんだ?」


「今回のISは無人機でした。私の記憶では無人機を作れるのは一人だけと思いますが・・・心当たりはありませんか?」


「いや、ないな」


この人平然と嘘をつくな。

「そうですか・・・では失礼します」


と、言って部屋を出る。


今日は疲れたから部屋に戻ろう・・・


私は寮に向かって歩きだした。







寮に帰ってきた私を迎えたのは質問の荒らしだった。

私はその質問に全て答えて、やっと一段落して、部屋に戻ると、織斑君と鈴さん、オルコットさん、篠ノ乃さんが訪ねてきた。


「しっかし沙耶さんが専用機持ちだったなんてな」


「本当よ。なんで黙ってなのよ」


「私は無所属だから色々狙われる可能性があったのよ」


「そうなんですの?」


「うん。私のISはどの企業にも国家にも属してないからね。しかもIS適正もA++だしね」


と、ここでも質問攻めが起きた。まあ、そんなに長くはなかったけど・・・


そして、質問攻めが終わったので私は篠ノ乃さんの方を向いて言った。


「ねぇ、篠ノ乃さん。今日の事件の時、中継室でなにしたの?」


「なにって・・・私はただ一夏に檄を送ろうと・・・」


「そうなの・・・でも篠ノ乃さん。貴女、一歩間違えれば死んでたわよ」


「な!」


「実際、貴女たけじゃあなく中継室にいた審判とナレーターも死んでたでしょうね。貴女の勝手な行いで」

「わ、私は少しでも一夏を励まそうと・・・」


「まず、それが勝手。言わしてもらえばあの時貴女ができた行動は避難することだけ」


「だが!」


「ならその勝手に他人を巻き込むな!」


と、私は怒鳴った。


「貴女は自分の身勝手な行動で他人を危機にさらした。私があのISを止めていなかった、審判とナレーターは死んでたでしょうね」

と、言ったら織斑君が・・・


「沙耶さん!箒は俺の為にしてくれたんだ。それをあまり責めないでやってくれ」


と、言ってきた。


「織斑君。この話は責める責めないの話じゃないのよ。彼女のわがままが他人を殺しかけたのよ」


「だけど誰も死んでないだろ。ならいいじゃないか」

「結果、死ななかっただけだよ」


「でも・・・」


と、篠ノ乃さんを庇う織斑君。


「はぁ・・・篠ノ乃さん。織斑君。少し私の昔話をしようか・・・・」


と言って続ける。


「私はある日、ある人のわがままで身勝手な行動でこうなったんだよ」


と、前髪を掻き上げて眼帯を見せる。


「誰かのわがままで身勝手な行動のツケは当人じゃなくて他人がうけるのよ。」

と、何も言えない二人を見ながら続ける。


「よく考えてね。自分のわがままが時には人を殺すんだよ」


と言って、私は二人をみる。


二人は何も言わず色々考えているみたいだった。なので、オルコットさんと鈴さんとで話す。


結局、私が今日はもう寝る。と言うまで二人は一言もしゃべらなかった。

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