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□キッチンで*
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とあるマンションの一室。
この部屋には元早乙女学園の生徒、聖川真斗と神宮寺レンが暮らしている。
最初はライバル関係にあった2人だが、ライバル意識を持って相手を見ているうちに、どちらも相手のことが好きになり、付き合うことになった。
卒業してから2人ともアイドルとして、歌にテレビに引っ張りだこの人気者になり、あまり2人の時間が過ごせないということになって同居することにした。
昨夜自分が仕事から帰ってきたときにレンの姿はなく、起きるときには同じベッドに寝ていて、最近寝顔しか見ていないなぁと真斗は寂しく思っていた。
「うん、良い味付けだな。」
キッチンに立つ真斗は自分の作ったカレーを味見してつぶやいた。
夕方に仕事が終わり、帰宅した真斗は久しぶりに早めに仕事が終わるというレンのために夕飯を作っていた。
味に納得がいった真斗は鍋をかき回しながらレンの帰宅を待っていた。
すると玄関から物音が聞こえたかと思うとカギの回る音が聞こえ、人が入ってきた。
「ただいま。」
声のする玄関へと真斗は向かうと久しぶりに顔を合わせる恋人―レンの姿があった。
「おかえり。」
「…なんだか久しぶりに顔を見た気がするよ。」
「そうだな。俺もお前の顔を見るのは久々な気がする。」
そう言いながら真斗はキッチンの方へと戻る。
レンも続いてキッチンに向かった。