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□虫退治の代償*
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早乙女学園寮室。
授業を終えた真斗は自室に戻ってきて部屋着の浴衣に着替え、勉強机に向かっていた。
「ただいま。」
すると同室のレンが帰宅して、真斗の方へと近づいてきた。
「お帰り。」
「また勉強かい?」
「あぁ、今日の授業の復習をな。…邪魔をする気ならあっちへ行ってくれないか?」
「邪魔なんてしないよ。ただ…」
「わっ!」
「お前の側にいたいだけ…」
そう言いながらレンは真斗を背中から抱き締めた。
「だ、だからそれが邪魔だと言っているだろう!?」
「えー。どうして?」
「この間も貴様が邪魔をしないと言うから許してやったのに…け…結局勉強どころではなくなったではないか!」
「だってお前が側にいるのに相手してくれないからつまんなかったんだもん。」
「子供のような言い訳をするな!…とにかく、今は邪魔をするな。一段落したら話し相手ぐらいなってやる。」
「話し相手ね…」
「だから邪魔するな。」
不服そうにするレンの腕を払い真斗はキッと睨み付ける。
レンは溜め息をつきながら仕方なく腕を離した。
「分かったよ。じゃあ、早く終わらせてね?」
そう言うと真斗の唇に触れるだけのキスを落とすと自分のベッドへと向かう。
真斗は自分の唇に指を這わせ、一瞬ボーッとしてしまうが、気を取り直して再び机に向かった。