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□聖川生誕祭
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とあるスタジオの楽屋。
ここにはアイドルの神宮寺レン、一ノ瀬トキヤ、来栖翔の3人がいた。
なんでもレンが相談事があると2人を呼び出したらしい。
「それで、私たちに相談とは何ですか?」
呼び出したにも関わらず、さっさと用件を言わないレンにトキヤは声をかける。
「…えーと…」
「何だよ!男らしくハッキリ言えよ!!」
尚もハッキリ言わないレンに翔はじれったそうに詰め寄る。
2人にジッと見られた状態のレンは恐る恐る口を開いた。
「…あ…あのさ…聖川の誕生日…何あげたら良いかな…って…」
「は?」
「は?」
ようやく開いたレンの口から出た質問に耳を疑った2人は声を揃えて呆然とする。
「だ、だから…」
「いやいや、何でそれを俺らに聞くんだよ?」
「…愛の伝道師が聞いて呆れますね…」
言い訳をしようとするレンに翔は慌てて尋ねる。
トキヤは少々呆れ気味に眉間を押さえる。
「だ、だって…クリスマスと近いから…」
「そっか…。で、クリスマスは何プレゼントしたんだよ?」
「お揃いのブレスレット。あ、これね。」
そう言いレンは自分の手首に光るブレスレットを嬉しそうに見せる。
するとそれを見たトキヤは思い出したかのように話始める。
「あぁ、そう言えば昨日お会いしたとき聖川さんも同じ物をしていました。聖川さんが装飾品を身につけているのが珍しくて尋ねたら、恥ずかしそうに"もらったんだ"と大事にしていましたよ。」
「そっか…」
トキヤの報告にレンは嬉しさから小さな笑みを溢す。
「あー、でもさ、クリスマスに実用的な物をあげて、誕生日にアクセサリーとか渡した方がサプライズっぽくて良くねぇか?」
「…え…?」
翔がふと意見を言うとレンは言葉を失う。
「や、分かんねぇけど、そっちの方がもらう側は嬉しいんじゃねぇの?」
「………。」
「…愛の伝道師が聞いて呆れますね…」
「もう良いよイッチー!!」
2人に相談をしたものの、心にダメージを食らったレンなのでした。