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□神宮寺生誕祭
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とあるスタジオの楽屋。
ここにはアイドルの聖川真斗、一十木音也、四ノ宮那月がいた。
真斗は何か考え事をしているようで気になった音也は思わず声をかけた。
「あれ、マサ。どうかしたの?」
「…あぁ…」
「"喜ばれるお誕生日プレゼント特集"…あぁ!そろそろレンくん、お誕生日でしたもんね?」
「あぁ。」
「そっか、マサの誕生日のとき、レンがすごいいっぱいプレゼントくれたって言ってたもんね。」
「あぁ、あのように祝ってもらったのは初めてで…とても嬉しかった。…だから俺も返してやらねばと思ってな。」
「マサらしいね。それで、レンは何をプレゼントしてくれたの?」
「まずは高級ホテルのスイートルームを予約してくれた。」
「すいーと…るーむ…聞いただけですごいね…」
「あとは12時ちょうどに打ち上げ花火。」
「花火!!?花火って勝手に上げて良いものなの?」
「きちんと許可を取れば問題ない。」
「…お金持ちって…」
「…すごいですね…」
真斗の口から飛び出す驚きの祝い内容に音也も那月も驚きから言葉を失った。
「それから手作りのケーキ、南天の鉢植え、あと…」
「えぇ!!!そんなに!!??」
「さすがレンくんですね…」
「と、とにかく色々ともらってしまったから、嬉しかった気持ちをきちんと返したいのだ。」
「…へぇ…それでマサは何をプレゼントするのか決めた?」
「…いや…まだ何が良いか決めかねていてな…」
「そっかぁ…」
「何をあげたら喜ばれるか…」
顎に手をあて考え込んでいると音也は明るい声で提案を口にした。
「マサ、料理得意だし、何か作ってあげたら?」
「食事ならいつも作っている。今さらそんなものがプレゼントには…」
「そんなことないですよ〜。真斗くんがレンくんを想って作ったのなら、それは立派なプレゼントになるんじゃないですか?」
「…アイツを…想えば…」
「そうだよ!レンの好きなイタリアンとか作ってあげたらどう?」
「それ良いです!!きっとレンくん喜んでくれますよ♪」
「そ、そうだろうか…」
「大丈夫ですよ!」
「レンはマサが大好きなんだから何をもらったって嬉しいはずだよ!もっと自信持って!」
「…そ…そうか…ありがとう。一十木、四ノ宮。」
元クラスメイト2人に励まされた真斗は少し前向きな気持ちになり、プレゼントとするイタリアンについて勉強することにした。