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□devil love magic*
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この世界には人の目を欺き、人間以外の生き物も暮らしている。

例えば"悪魔"とか。

彼、レンもその悪魔の1人。
悪魔と言っても黒い触覚と尻尾を生やしてる訳でなく、ごくごく普通の人間と同じ姿。

ただ生きるために摂取するものが違うだけ。
人間は食物を摂取するが、この悪魔の場合、食事は2種類。
1つは人間の不幸な気持ち。
悲しみ、憎しみ、妬み、恐怖…。
様々な不幸な感情を食べるとより相手は不幸に陥るらしい。
2つ目は性的な快感を得ること。
どちらかを摂取しないと元気はなくなるし、生き延びることが出来ない。

レンは生まれながらの美貌を活かし、2つ目の方法で生きるための栄養を補っている。

レンが黙って立っているだけで女性たちが寄ってくる。
レンは何の苦労もなく生きていた。



そんなある日。

レンは大学生として大学に通っているのだが、その大学近くにあるコンビニに寄ったときのことだった。

この後女性と約束していたレンは待ち合わせまで少し時間があるとそのコンビニに寄った。
何を買うでなく、ふらふらと見ていると1人の人物に目が止まる。

自分と変わらないくらいの長身、濃厚の艶やかな髪は耳の辺りで切り揃えられ、少々時代遅れな髪型をしている。
しかし白く美しい肌に髪色と似た切れ長の瞳にはとても合っていて違和感はなかった。
一目で目を奪われたその人物は紛れもなく男。

美しいと形容するのがとても合っているその人物はどう見ても男だ。
いつも女子に囲まれ、男との接触を避けていたレンがその男に目を奪われたというのに自分でも驚いた。

その彼はパンコーナーでジッと棚を見ている。
迷っている訳ではなく、一点を見つめているためどれか気に入った商品があるのだろう。
しかし、彼は見つめたまま手にしようとはしない。

しばらくレンは遠くからその姿を眺めていたが、彼が商品を手にする気配はない。
不思議に思っていると彼の近くに、これまた時代錯誤な着物を着た老人が近寄り何か話すと一緒に店を出ていった。

レンはその一部始終を見ていて、とても彼のことが気になった。
こんなにも1人の人間に興味を抱くのは初めてで、この感情がなんなのか分からなかった。


その日約束通り女性とデートをし、流れで女性を抱く。

いつも終わると頭がスッキリして満たされた気持ちになるのだが、今日はなんだか物足りなさを感じた。
相手の女性が気に入らなかった訳ではないし、悪い雰囲気でもなかった。
スッキリしない頭を振り早朝ベッドから降りた。




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