SS1中身
□MARGINAL#4 Happy Haloween。*・。☆
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「マネージャー〜!」
次のイベントの段取りをチェックしていた私は、自分を呼ぶ声に顔をあげた。
(今の声はアトムくん…だよね?)
何かあったのかと頭を捻らせるが、彼らは今ルイくんによるダンスレッスンの休憩中のはず。
「マネージャー〜!ちょっと来てくれよ〜!!」
(…もしかしたら何か問題が起こったのかもしれないし…。とりあえず行ってみよう)
チェックしていたスケジュールリストを置き立ち上がると、ちょうど張さんが事務所に入ってきた。
「あ、張さん。おはようございます」
張さんは、チラリと私を見ると、小さく溜め息をついた。
「行くのは構いませんが、くれぐれもレッスン場の扉は閉めてから騒いでください。わめき声が聞こえると、他の方々の迷惑になるので」
「………?…は、はい…(?)」
(皆が騒いでしまうような事なのかな…?……まさか、ケンカとか…)
顔からサーッと血の気が引いた。
張さんを見ると、張さんは何があるのか知っているような様子だったが、自分のデスクに戻った寡黙な彼に聞くよりも、行った方が早そうだ。
私は、張さんに一礼すると事務所を飛び出した。
☆★☆★☆★☆
「ふふっ。あー、楽しかったわ」
「社長」
彼女が行ってしまうと、社長が社長室から悪戯が成功した子どもの様に笑って出てきた。
その様子に、張は眉を顰めた。
「怖い顔しないの。良いじゃない、今日くらいは」
「…………昨年の彼らのクリスマスを潰してしまったからですか?」
その問いに、社長は静かに笑って首を振った。
「普段頑張っているからよ。そのご褒美」
「……だって、今日はハロウィンだもの」