smallcandy
□シンデレラ
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昔々ある国にククールというとても美しい女…いや、男性がいました。
ククールの母親が病で亡くなると父親マルチェロは後妻を娶ります。
その後妻の名はエイト。そのエイトには連れ子が二人いました。
一人はトロデ。
もう一人はヤンガスといいます。
ククールはそのエイト、トロデ、ヤンガスに毎日いじめられ、こき使われていました。
エイト:「ククール。トーポ君のチーズ、まだ?相変わらず錬金釜扱うの下手だね。」
トロデ:「そうじゃ。才能ないのう」
二人は高級なひらひらしたドレスを身に纏っていましたが、ククールは姉達のボロ着ていました。…いや、サイズが合わないからエイトのボロを着ていました。
ククール:「くっそ〜。(なんでオレが…あ〜、また失敗だ。また世界を駆け巡って牛からミルクもらわねーと…。まだバザーやってっかな…)」
その時。
ドドドドド!!!!!!
家が揺ました。
ヤンガスが走って来たのです。
ヤンガス:「兄貴…じゃなかった、お母様!これを見るでがす」
トロデ:「ヤンガス。語尾に『がす』はないんじゃろ」
ヤンガス:「…(オッサンもな)」
エイト:「ヤンガス、どうしたんだい?」
ヤンガス:「あ!そうですわ!これ見てくださる?今晩お城で舞踏会があるのよ!しかも、王子様の婚約者選びも兼ねているんですって」
トロデ:「まあ!ではぜひとも行かなくてはね!」
小さいトロデは跳びはねて喜びます。
エイト:「じゃあ直ぐに準備よ。ああ、ククール。お前はもちろんお留守番だからね」
ククール:「はい。(良かった。舞踏会なんてこっちから願下げだね。)」
そして夜になりました。
三人はお城へ出掛けます。
ククールは家に一人残されました。
ククールひそかに隠しておいた酒を出し、城を観ながら一人で飲みます。
ククール:「…あー。やっと解放されたぜ。
それにしても、ヤンガスとトロデのドレス、見物だったな」
すると突然目の前に炎が上がったかと思うと、その中から人が出てきました。