書評・熱闘篇

□『フタバスズキリュウ発掘物語』
1ページ/1ページ

フタバスズキリュウの発見から骨格復元、生態の推測などをメインに記した本。文章がとても平易で読みやすいです。
少し前のことであるが、フタバスズキリュウの正式な学名が決まったという記事が新聞で出ていた。化石が発見されたときから考えると、40年近く経っている。これは、当時の日本には古生代の研究者がほとんどいなかったということ、また世界でも首長竜の研究が余り進んでいなかったという点が大きいらしい。読んでいると、色々と試行錯誤したり、失敗しながら発掘・復元をしたりしたことがよく分かる。しかし、文章からはそんことについて悲観的に感じられることはない。昭和30〜40年代特有の、というのだろうか、前向きな楽観主義に覆われている。きっと、研究者というものは悲観的になってはいけないのだろう。
最近では、しばしば『日本の○○で恐竜の化石発見』との新聞の記事を見かける。しかし、一方で著者によると、国内での専門家はまだまだ少ないらしい。…ていうことは、チャンス!と勝手にテンションが上がってしまいました(笑)。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ