書評・熱闘篇

□『夜のピクニック』
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 第二回本屋大賞受賞作。流行の作品は読まないんじゃないんだっけ。
 あらすじとか、詳しい内容は書かないけど、主人公の二人の気持ちが交互に書かれていて、それが段々近くなっていく過程が素直でとても良いです。文中に(何処の場面かは忘れちゃったんだけど)『ナルニア国物語』だかを出して、『その年代に読むべき本がある』とか言っている場面が印象的でした。簡単な本は年を取ってから読んでも印象が薄い。合った年齢の時に読めば最大限の感動があると言うわけです。じゃあ、この本はどうかと言うと、実は作者はそう書きながらも、結構幅広い年齢を意識しているのではないか、と勝手に推測しています。
 大人になろうと頑張っていた自分が実は一番子供っぽかったり、青春を謳歌しているようで実はやり残したことがたくさんあったり。この年代の人なら必ず思うことだろう。主人公と同年代なら、自分のことを見直す機会になるし、もっと大人になっていたら、多分心地よい痛みを感じながら、昔を懐かしく思い出すことだろう。実は年齢にあった気持ちたちを細かく場面を分けることにより、上手に表現しているのではないかなあ。


「いったい、どれくらいの女の子が、こういう口に出せない気持ちを抱えたまま卒業していくんだろう。」

わたしはこれに泣きました…

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