私の好きな人。【完】

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「ほんと、ごめんっ!!」



「もう、いいってば。」



次の日あたしは茉央とランチをしていた。



昨日のことを何度も謝る茉央。



「許してくれる…?」



「うん。」



「何で?」



「は?」



人が許すって言ってんのに

“何で?”とは何よっ。



「だって絶対怒ると思ったから…。」



「あぁ、そうだよね。」



「何かあったの…?」



「ん。まぁね。」



茉央に言っても良いのかな。



「まさか総司くんと寄り戻した…とか!?」



「まさかっ。」



「え…?じゃぁ、新八くんと…。」



「もっとないっ!!」



あんな空気の読めない男っ。



でも茉央の顔が曇ったってことは…

好きなのかな。



「え…まさか、あの黒髪と…?」



黒髪って…。



まぁ、黒髪だけどさ。



「土方さん。」



「え?」



「だからあの黒髪の名前だよ。」



「あ、あぁ。

で、その土方さんと何かあったわけ?」



「うん…。」



あたしは昨日のことを大まかに説明した。



“するするする”“したいー”は言ってないよ?



土方さんの胸の中で泣いたこと。



総司のこと。



アドレス交換したこと。



茉央は黙って聞いていた。
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