私の好きな人。【完】

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七瀬に



「今日どうする?」



と聞き



「このまま泊まってもいいし

帰るならタクシー代をやる。」



と言った。



だが、悩んでいるのか

七瀬は喋らなかった。



「何もしねぇから安心しろ。」



言うと



「じゃぁ、泊まる。」



なんて即答しやがった。



「そんなにイヤなのかよ。」



言うと



「え…えと…イヤ…あの…その…。」



言葉になっていなかった。



おもしれぇ。



「今日は抱かねぇから安心しろ。

いずれ抱いてやるから覚悟しとけよ。」



七瀬は、焦っていた。



絶対いつか抱いてやる。



心の中で、もう1度つぶやいた。



「ほら、さっさと風呂にでも入ってこい。」



バスタオルを渡した。



七瀬が脱衣所に行き

そろそろ脱ぐ頃か。



思いっきりドアを開け



「脱がしてやろうか?」



言った瞬間



「ギャッ!!」



何とも色気のない声だった。



もう少し遅らせれば良かったか…。



七瀬が風呂に入ってから

どれくらい経っただろう。



全く出てくる気配がなかった。



のぼせてんのか?



心配になり様子を見に行こうと

立ち上がろうとした時、七瀬が来た。



オレの家には女物はねぇ。



だからオレのTシャツを貸してやった。



やべぇな。



オレ、耐えれるか…?



Tシャツを着た七瀬は見えるか見えないかの

際どい感じでオレは

心落ち着かせるのに必死だった。
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