私の好きな人。【完】

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土方さんと会うこともないまま

2週間が過ぎた。



メールも、あれからしていない。



もう会えないのかな…。



あたし、あんなこと言っちゃったし

きっともう呆れてるよね。



“は?オレは、お前しか…”



この言葉が、ずっと頭の中を

グルグルと回っていた。



本当に、あたしだけなの…?



ねぇ、じゃぁ、かおりって誰よ。



…って、あたし彼女でもなんでもないのに

何言ってんだろう。



今日は茉央とランチする

約束をしていた。



時計を見ると約束の時間まで

あと15分しかなくて焦った。



そして、すぐに家を出た。



「遅い。」



待ち合わせ場所に行くと

最初の一言目がコレだった。



「ごめん…。」



謝ると



「優樹菜、ちゃんと食べてる?」



茉央には、すぐに電話をして

全部話していた。



「うん、食べてるよ。」



そう言ったが実は

あまり食べれていなかった。



土方さんのことばかり考えて

食べる気になれなかった。



「嘘。

あたしに嘘つくなんて許さないよ?」



さすが茉央様。



分かってらっしゃる。



「少しでも食べなさい?」



「…うん。」



あー、そっか。



だから茉央は

ランチに誘ってくれたんだ。



あたしが食べれてないと思って。



総司の時も、そうっだったっけ。



くっそー。



惚れちまうじゃん。



あたしは茉央の為

自分の為に食べようと思った。
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