私の好きな人。【完】

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3月2日



七瀬と会わないまま

2週間が過ぎた。



あの夜アイツは泣いていた。



オレは何をした…?



寝てる時何かしちまったか…?



全然分かんねぇ。



あの後、何度もアイツに連絡を

取ろうとした。



けど、七瀬が連絡くれるだろうと思う

自分もいて、しなかった。



でも、連絡しとけば良かった…

と、後悔した。



その日、オレは休みで、たまたま

外に出ていた。



ん?あれは、原田…か?



遠くに原田を見つけた。



そして…。



「……っ。」



隣にいた女を見て息をのんだ。



七瀬…。



オレが見ていると一瞬、原田と

目が合ったような気がした。



その瞬間、原田が

七瀬の顔に触れた。



体が勝手に動いた。



「原田、テメー何してんだよ。」



「別に、何も?じゃぁな。」



オレに背を向け、そして七瀬の

耳元で何かを言い

七瀬の頭に手をのせ姿を消した。



「おい。」



オレが七瀬に声を掛けると



「ひゃっ!!」



驚いていた。



「そんな驚くなよ。

って原田に何かされてねぇか?」



聞くと



「うん…。」



良かった…。



そしてオレは



「そうか。なら、いい。じゃぁな。」



オレは歩き出した。
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