Five Key

□Epi.2
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―――M.


着いた街は街と呼べる程
建物や人の姿はなく
あるのは無駄にでかい
十字架を掲げてそびえる教会だけ


「教会しかねぇじゃねぇか」
「この教会こそが街なのです」

「えっ、このおっきい建物の中に
 街があんのっ?」
「まぁ、そういうことです」


つまりこのでかい扉の向こう側が
"Gold"ってことか
確か…神の聖域、だったか


「お?旅人か?」


真っ黒なコートに身を隠した金髪の男
首からは金色のロザリオを下げている


「まぁ、そうなるか」
「ならゆっくりしてけよ」


金髪野郎に肩を組まされ
無理矢理教会の扉を潜らされる

緑川や緋沢も後ろから
着いてきてはいる


「……ッ」
「…大丈夫ですよ」


黄宮の様子が少し…
いやだいぶおかしい
キョロキョロと周りを
警戒するように見渡している


「ここでは部外者は
 何にも出来やしねぇよ」


つまり特殊な"結界"の中にあると
そういうことなんだろう


「…邪悪な者はすぐにわかる」
「…は?」

―――ドサッ…―

「イチ!?」


黄宮が後ろでいきなり倒れて


「…っゲホッゴホッ、…ッ?」
「レンまで…
 なにをした…?」


急に胸を締め付けられるような
痛みと感覚に襲われて

青柳に支えられたところまでで
オレの意識はぷつっと切れた





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