Five Key

□Epi.4
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―――S.


無事に2つ目の"鍵玉"を手に入れ
残りはあと3つ
とはいえ在処がわかっているのは
このうち2つだけ

"緋炎"か"紫紺"か
要するに俺か紫崎かという話だ


「この"Scar(スカー)"って
 盗賊団の本拠地じゃん」


横から電子パネルを
覗き込んだのは紫崎で


「"Fire Devil(ファイア・デビル)、
 別名"地獄の炎鬼(エンキ)"…だったか?」
「…よくご存知で」

「あれだろ?
 ターゲットは街ごと焼き尽くすっていう
 とんでもねぇ盗賊団」
「彼らのモットーは"遺恨は残さず"ゆえ」


そう
たとえ女であろうが
子どもであろうが
そこにあるすべてを
跡形もなく消し去る

それが"Fire Devil"


「まさかその盗賊団が
 持ってるっつうことか?」
「…おそらく」


"鍵玉"は所有者に
不思議な力を与えるという

もし、その力が
"焼き尽くす"ということに
形を変えているなら?

…可能性は高い


「…皆さんをリビングに
 今回は少し用心しなくては」


相手はただの盗賊じゃない


「緋沢?」


左頬の傷痕が疼く

いい機会だ
因果応報…とでもいこうか


「明日の朝、早速出発しましょう」




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