□T:平穏な日々
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「あすーっ!!」

「なにー杏ちゃーん」
「今からピアノ?一緒にいこう!」
「いいよー」

私、鈴村杏と、柊あすか。
私たちは、幼なじみ。
保育園の時からの知り合いなんだ。

小学校も一緒で、習い事も一緒にしている。

それなりに、仲はいいつもりだ。

私たちは、お互いがお互いの一番の友達ってわけじゃないんだけど、暇があれば会って話したり遊んだりしていた。

要するに、普通に、大切な友達の一人なんだ。




「杏ちゃん、」
「んー」
「見てみてっ」
「なにー?」

見せられたのは、イラストだった。
それも、顧問そっくりの、ハゲ面だった。

「ぶふっ!!」
「どう、どう?」
「もう、なによこれー!!似すぎ!!上手い!!」
「でしょでしょー、渾身の出来なんだから〜」

あすは、ちょっとおっとりしてるけど明るくて、勉強もできる。話すと面白いし、可愛い。

あすは、言うまでもなく人気者だ。

私も、そんなあすが大好きだった。


「あすはバカだねーっ」


そう言って、みんなで盛り上がるのが日常だ。

あぁ、そういえば。

今年から中学生になり、なんと、同じ部活に入部した。

これから3年、一緒に過ごす。

わたしは、そんな未来をとても楽しみに思っていた。
それは、明るく、キラキラ輝くような中学校生活。





未来を疑うなんて、

考えられなかった。












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