□白いカーテン
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ああ、でてしまった、

本音。


あたりまえのことだけど

願ってはだめ…なんだよね



「……うちだって…神谷とずっと生きていきたいよ」

「うん…」


神谷はただ、頷くだけ。



あ、そうだ、

「…神谷は、なんで病気のこと知ってたの?」

気になることを聞いてみた。
うちはだれにも言ってないし…。

「……見てたから」

「…え?」

「病室。見えるんだよ、バイト先の店から。」

神谷はラーメン屋さんでバイトしていると聞いていた。
確かに、病院の道路挟んだ向かいにはラーメン屋さんがある。

そこからなら、見ることもあるだろう…。

「…そう、なんだ。」

「ああ。いつも、見てた。真っ白なカーテンがいつもかかってるんだけど、たまに開いてるんだ。」

そう。うちは、いつもカーテンを閉めていた。
羨ましくなるから。
でも、やっぱりたまには見たくなり、カーテンを全開にして外を眺めたりした。

それに
気付いてくれていたなんて。

「…いつもいつも見てたから、バイト先の友達にばれて…言われたんだ。」

『あそこの病室ってさ、結構重めな病気の子が入るんでしょう?可愛そうだよねー。』


………ああ、うん。
そうだよ。

そっか…

「それで…気になってた。」

「うん。」

「そんなとき、朝霧が学校来て…最初は気づかなかった。でもさ、見たんだ。バイト行くとき。」

「………」

「知ってる病室に、制服が見えた。…最初はお見舞いかと思ったんだ。信じられなかったし…。」

「………」

「…でも、それも違ったんだな…。この病院に呼び出されたってことは…。」

すごいね、神谷。
どんだけかっこいいの…。

「…それで、うちが死ぬと思ったんだ…。推理力半端ないねっ」

うちは、

ありったけの笑顔で

神谷を見た。
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