満月の夜。
□5夜。
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太陽が昇り、眩しい光で目が覚めた。
最近の暑さは尋常じゃない。
朝っぱらから汗をかくのは、まっぴら御免だ。
昨日、りゅうは帰ってこなかった。
聞きたいこと、たくさんあったのに…。
まぁ、そのうち帰ってくるだろ。
今日じゃなくたって、そのときに聞けばいい。
なるべく早い方が有り難いけど。
着替えて靴を履き、ゆうのいる病院に向かう。
昨日は無理だ、てわかってたけど
今日は起きるかもしれないし。
学校も、塾も、しばらくは放置。
今は、それよりも大事なことがあるから…。
「いってきます…」
返事なんて帰ってくるわけないけど、りゅうが居たことによって俺の中で習慣になっていた。
たった4〜5日。
それだけで、俺のいる世界は唐突に変わりすぎていた。
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