明日に吹く風
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「ほら、裕翔くん! 早くしないと おいていくよ?」
「待ってよ山ちゃーん!」
今日は、僕らの高校の入学式。
向かいのお家に 住んでいる山ちゃんが
いつものように、僕に言った。
「よし。…走るか!」
「ぇ………?」
「行くぞ?よーい、…どんっ」
山ちゃんは、走るのが大好き。
学校までは決して遠くない距離なのに、山ちゃんは新しい制服を着て猛スピードで路を走る。
「待ってって!」
僕は頑張って追いかけるけど、足の早い山ちゃんにはとても追いつけない
…ハズだけど
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