いっしょ。
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みんなが来て、しばらく経った。
未成年なのにガンガン飲んでたからか、みんな早くも泥酔状態。
ただ、酒に強い俺と薮くん、ちょびちょびと少しずつしか飲み進めてないだいちゃんは、全然酔ってないみたいだ。
薮くんがソファに横になり目をつむったのを確認して、
椅子に小さく座るだいちゃんの隣に座って話しかけた。
「だいちゃん、お酒飲めないの?」
「あ、やまだ。…いや、わかんない」
わかんない?
「あ、もしかして飲んだことない?」
「ねぇよっ、当たり前だろ!」
そうやって、大きい声を出しただいちゃん。
そんなにムキにならなくても…。
「あぁ、だからちょっとずつ飲んでたんだ?」
「まぁ…、うん」
落ち着いて冷静になったのか、声量が戻った。
でも、みんなに合わせて飲んだんだよね。
飲んだことなかったのに、俺らのノリで。
優しいな、だいちゃんは。
さっきも…、
俺が、言いたくてもなかなか言えなかったこと、全部あいつらに言ってくれた。
「…ありがと」
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