いっしょ。
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ーRRR...
だいちゃんと話し終わって布団に入ったとき、枕元に置いてあった携帯電話の呼び出し音が聞こえた。
「んー?誰だろ…」
表示の文字を見て、慌てて電話に出る。
「もしもし薮くんっ?どうしたの?」
『あ、やまだ?ごめんな、こんな時間に。寝てたか?』
「や、大丈夫だけど…」
答えながら、部屋にあるデジタル時計を覗く。
時刻は既に2時を過ぎていた。
ちょうど、仕事に区切りがついたところかな。
にしても、こんな時間まで話してたのか。
だいぶ話し込んでたんだなぁ。
『やまださ、休みっていつまで休む?』
「え?あー、」
だいちゃんは1週間だけでも、って言ってたから…、
「1週間くらいは欲しいかな」
『そうか…』
うーん、なんて、電話の向こうで唸る薮くんの声が聞こえる。
「…なにかあったの?」
『あー…、いや、なんでもないや。確認だけ、な』
薮くんはそう言って笑ったけど、俺にはなにかあるように思えた。
「ねぇ、薮くん?」
『ん?』
「まえ、俺に言ったよね?なんでも言え、って」
『ああ』
「俺も、いっしょだよ?何かあったなら、言ってほしいよ。そりゃあ、俺なんかにはなんにも出来ないのかもしれないけど…」
俺だって、なんでも言ってほしいんだ。
薮くんが困ってるなら、全力で救いたいんだ。支えたいんだ。
薮くんは、大切なひとだから。
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