満月の夜。
□2夜。
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朝。
普通に目が覚めて、体を起こす。
家中を見渡しても、りゅうは居なかった。
…あれ?
やっぱ夢だったか。
そりゃそーだよな。現実にあんなのいたら、たまんねぇよ。
学校に行く支度をして、隣の家のインターホンを押す。
すべて、いつも通りだ。
でも、今日はちょっとだけ違った。
『ごめん、風邪引いたから今日は休むわ』
インターホンから聞こえた、機械音混じりの声。
「えー…?」
なに、ひとりでいかなきゃいけないの?
本当ごめん、
それだけ言って、音は絶えた。
今日はつまんないかもなぁ…。
あいつのいない学校に行ったって、たぶん暇なだけだ。
サボりたい。
けど、そしたら怒られそう…。
しょうがない、行っとくか。
「………はぁ」
ため息を吐いて、トボトボと学校への道を歩き始めた。
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