dreams

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「お前さ、あいつのこと
 好きなんだろ?」



 教室の隅。

 幼馴染みの君に
 訪ねる声が聞こえた。



「うん、まぁ…」



 やっぱり、好きなんだ?


 そりゃ、態度みてたら
 明らかだし。

 わかってたけどさ。


 でも、否定してほしかった。

 なんて、勝手に傷付いてる
 自分が嫌だ。



「告っちゃえばいいのに」


「はー?ムリムリっ」



 そうやって、
 両手を細かく左右に揺らす。



「絶対いける、て!
 お似合いだし。なっ!」



 その言葉に、周りも頷いてる。



「えー?まじかよ…」



 そう言ってるけど、実際は
 満更でもなさそうだね。

 だって、そんなに笑顔だし。


 久々に見たよ、
 大貴が頬を赤らめて笑う姿。



「じゃ、放課後な」



 そう言って、あの集団から
 離れた大貴。


 放課後…
 大貴は、あの子のものになる。


 もう、胸が痛い。

 きゅ、て締め付けられる。


 泣きたい。


 現実的には泣けないけど、

 私の心は
 涙でびしょ濡れだよ…。



 次の日から、
 君を目で追うのをやめた。





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