dreams

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 私は、高3の高橋 空。

 クラスで中心になって
 騒いでるのは、
 幼馴染みの大貴。


 休み時間なのをいいことに、
 うるさいくらいにクラス中で
 話し声が聞こえる。

 私も、そのひとりだけど。



 ここだけのはなし、
 私は大貴が好きだ。

 ずっと…。


 いつから、なんて覚えてない。

 気付いたら、いつも見てた。


 ただ、これが恋だ、て
 自覚するのが
 遅かったんだけど。



 けど、誰も知らない。

 その証拠に、大貴は
 私の友達の田中 柚と
 恋人同士だ。


 知ってた。

 ふたりが両想いだ、て。


 だから、付き合う、て
 報告されたときも

 別に動じなかった。


 少なくとも、ふたりの前では
 泣かなかった。


 いや、泣けなかったのかも。

 面と向かって
 報告を受けたとき、
 前夜に泣き明かしてたから。

 もう、
 涙は出なかったんだろう。



 それでも、ふたりを見て
 未だに胸が苦しくなる私は、

 自分でも呆れるくらいに
 諦めが悪いみたいだ。

 自分がイヤになるよ…。





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