満月の夜。
□1夜。
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ひとり暮らしの筈の俺の家にいたのは、見たことのない奴。
え?俺、夢でも見てるわけ?
目を擦ってもう一度同じところを見てみる。
…なんだ、誰もいねぇじゃんか。
やっぱ勘違いだ。
最近はずっと寝不足だからなぁ。
「ちょっと、見えないフリとかしないでくれる?」
「…………」
や、だって信じたくないじゃん。
普通、知らない奴にいきなり出迎えられたとかさ。
「…じゃあ誰なんですかー?」
「うわ、開き直んなよ」
…めんどくさい奴だ。
「説明とか何もないなら警察とか呼びますけど?」
「あー、わかったから。ちゃんと話すから。とりあえず、ほら、座って?ねっ」
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