†ヴァンパイア騎士†
□弟二夜
1ページ/4ページ
-私立 黒主学園-
「あ〜〜 せっかく熟睡しかかってたトコロなのに……」
月の寮の門のほうまで普通科の生徒の女の子の声が聞こえてくる昼間。
吸血鬼である夜間部の生徒たちにとって昼間が睡眠時間。
それなのに昼間からこんなに騒がしいと寝るに寝れない。
「あー…… あれだ、今日は……」
「なに!」
「【聖ショコラトル・デー】、忘れたの?」
「魅姫! お前なんでここにいるんだよ」
「いいじゃない、少しくらい」
そう言って暁と一緒にカーテンの隙間から門の方を見る魅姫
「じゃあボクは寝るから……」
「うん、お休み英」
なんだかんだ言いながらすぐに眠りに落ちた英を尻目に魅姫はまだ暁と一緒に門を見ていた。
いや、門を見ていたというより優姫と零の2人を見ていた。
「何か気になることでもあるのか?」
「……ううん、なんでもない。 邪魔しちゃってごめんなさい」
暁と眠っている英に謝罪をすると魅姫は2人の部屋から出て行った。