Boys.

□例えば、止まない雨のような
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ポツリ、ポツリと雨が降る。
土曜日の午前10時。雨音で目が覚めた。
窓を覗くと大粒の雨。
あぁ、雨って嫌いだ。気分が憂鬱になる。

この幸せも、いつか消えてなくなってしまうのだろうか、とか
考えなくてもいいことを考えてしまう。

となりをみるとまだすやすやと眠っている康太。

駄目だよ、男なのに。
最初はそんなことを思ってた。

だけど、僕の欲は、
例えば、止まない雨のような。
好きって気持ちが抑えられなかった。
手をつなぐ時だって、みんなにみられたらおしまい。
けれど、それだって抑えられない。
初めてキスをするとき。抑えられなかった。

止まない雨のように次々に欲が溢れ出す。

ほら、今だって。
寝ている康太にそっと口付ける。

ほら、今だって。
するすると手が下の方へのびていく。


おはよう、康太。
この雨音のおかげでたくさん声がだせるよ。

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