短編2

□遠回しだけど誘ってる
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 ベッドについた手に体重をかけると、キシリ、とかすかにスプリングが鳴った。どちらも女の子とはいえ、二人分の体重は、このシングルベッドにはきついらしい。


「大丈夫です、団長さん」


 緊張で体を固くしている団長さん。綺麗な緑の髪が少し口に入ってしまっているので、指ですくって出してやる。
 なるべく優しく、団長さんの服を脱がしていく。上半身の服は全て取り去った。緊張しているのに恥ずかしがって胸を隠したりしない辺り、男前というかなんというか。


「絶対、大きくなりますよ」


 私はにぃっこり微笑んで、かすかに震える団長さんに、手を伸ばした。



 話は十五分前にさかのぼる。




* * *



「お前は、何をどうしてそんなになったんだ」


 まったくの無表情で、しかし頬を真っ赤っ赤に色づかせて、我らが団長さんは私の阿吽の字を指差した。

「これですか? 全然知られてない……穴場らしきお店で見つけたんです。今度一緒に行きます?」

「いや、それは穴場じゃなくて閑古鳥が鳴いているだけだろ」

「かんこどり…? おいしいんですか?」

「知らないならいいんだ。それと食い物じゃない……じゃなくて…!」

 団長さんは阿吽に指を突きつけたまま言う。

「この、……この…………この……すごい胸、は……」

「ああ、これですか。団長さん、こうなりたいんですか?」

 納得しつつ、団長さんの胸元に目をやる。お世辞にも大きいとは言えない、赤点くらいの大きさの胸。
 団長さんは真っ赤なまま、ついに表情を少し崩し、注視していないと分からないくらい弱々しく頷いた。
 ふむ。おっきくしたいのか。小さくても可愛いけど、団長さんが望むなら協力しよう。

 この時私の脳は、テストでこの調子なら学年一位になれる! というくらい回っていた。
 俯いて顔を隠す団長さんの手を取る。


「簡単です、団長さん!」


 団長さんの顔が、希望に釣られるようにやや上を向いた。私は、頼もしく見えるような笑みを浮かべる。

「胸というのはですね、他人――特に好きな人に揉んでもらうと大きくなるんです!」

「他人じゃないとダメなのか…?」

「ハイ。自分で揉んでも、そんなに気持ちよくないですよね? でも、他人、特に好きな人に揉んでもらうと気持ちいものです」

「…揉んだことも揉んでもらったこともないんだが」

「気にしなくていいですよ。揉んでもらったことがない、というのは嬉しいです。……で、その気持ちいいというのは、胸が大きくなる成分が胸で作られているからなんです」

「そうなのか…!?」

「はい。というわけで団長さん、おっきくしましょう」

 揉んでもらうと大きくなる、という都市伝説が嘘か真かはわからないけど、大きくなる成分うんたらかんたらは、完全なでっちあげ。
 簡単に騙されて大きく頷く団長さんは、私の手を引いて自室に向かった。



* * *



 そして、現在。

「…っ、っ、ん、…っく……」

「団長さん、どうですか? 気持ちいいですか?」

「は、…、……知らない」

「気持ちいいのかよくないのか分かんないと、正確に揉めません。そしたらあんまり大きくなる成分が出ませんよ」

「っ! ……き、…気持ちいい」

 なあに、この人。可愛すぎる。
 予想通り、声を抑えている団長さん。それはそれでとても色っぽくて素敵なんだと、気付いてないらしい。
 団長さんの目は、例えるなら腐った果実みたいにどろどろで、



 これなら、先に進んでも大丈夫、かな。


「ひっ!? キサ、キサラギっ、どこ舐めて…うぁっ」

 どこって。団長さんの小さくて可愛い乳首ですよー――とは言わず、無言で桃色のそれをくわえる。
 舌先でつついて固くしてから、てっぺんを押して潰す。指を口に入れて唾液を塗りつけて、もう片方の桃色をこする。
 理性が少なくなると声を抑える力も小さくなるらしい。団長さんの声が、さっきより聞こえる。

「あ、っ、んく…っ、……、っ…ん……っ」

「そうだ団長さん、今度は団長さんの体に、気持ちいいかどうか聞いてみますね」

「は、ぁ!? どういう、っうわ!?」

 クチュリ、とソコは私の指を濡らした。
 調子に乗って、ソコより少し前にある突起を摘まんでみる。すると団長さんの体は面白いくらいビクビク跳ねた。
 下着ごとズボンを下ろして、中指をナカに入れてみる。

「い、…っ、きさ、らぎ…」

「痛い、ですよね。…なるべく痛くないよう、努力はしてるんですが…」

 強がりな団長さんは「痛い」と言わないけど、知識として、初めての時は痛いことは知っている。
 どうにか痛みから気を逸らそうと団長さんに口づける。指でナカをかき回しながら、舌で口内もかき回す。
 キスを継続しながら指をもう一本いれる。団長さんはやっぱり体を跳ねさせた。

 唇を離して、指に集中する。ごめんなさい、団長さん。もし「痛い」って言われてもやめられません。好きな人がこんなになってるのに止められるほど、私は出来た子じゃないから。

 胸だけの話だったのに、あんまり団長さんが可愛いから、最後までいっちゃう。

 指を抜き差しする。速めると、クチュクチュという水音がグチュグチュに変わった。

「イきますか? 団長さん」

「ん、し、しらな…、っあ、あぁっ……」

 イったらしい。

 荒い呼吸の団長さんから指を抜く。汗で額に張りついた髪をどけてやる。

「胸、一回だけじゃ大きくなりませんから…これからもやりましょうね?」

 ウトウトしている団長さんは、小さく頷いてから目を閉じた。



* * *



『…で、アイツとはヤれたのか?』

「……お陰さまでな。お前の言った通りになりすぎてビビったぞ」

『そういう「ビビった」は素直に言うんだな…』

「お化け屋敷ではビビってないからビビったと言う必要がない」

『お前、墓穴って言葉知ってるか? ……にしてもそうか、成功したか』

「ああ。『胸を大きくしたい』と相談したら、『胸って揉んだら大きくなるんですよ』と言ってきて実行してくるから、されるがままにしとけ……それがお前のアドバイスだったな。上手くいったよ。さすがアイツの兄貴」

『おー。アイツ、妙にオヤジっぽいところがあるからな……そういう発想すると思ったよ。つーか、そんな遠回しに誘わなくても、「ヤりたい」って言えばいけると思うけど』

「それができないからお前に相談したんだろ!」

『だったな。まあ、目標達成できてよかったな』

「……ああ」



END.



* * *
遠回しに誘ってた団長さん。遠回しに誘い受けな団長(ry
GLR18は初めてなのですが…きちんとR18になってるでしょうか。
リクしてくださった方のみお持ち帰りOKです。書き直し受け付けます!

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