短編2
□発見弱点
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きっかけは、セトだった。ただしくはセトの「行動」。
セトが、あろうことかシンタロー君に飛びついて、耳に息を吹きかけたのだ。本人としては悪ふざけのつもりだったようだけど、たまったもんじゃない。
僕は取り敢えず二人を引き離そうとしたのだけど、「ひんっ」というシンタロー君の可愛らしい声に固まった。真っ赤になって目をきゅ、と瞑って。
その顔は僕とベッドインしている時の顔で。焦った僕は目を丸くするセトをなぎ倒してシンタロー君を担ぎ上げた。そのままゴートゥーマイベッド。今、シンタロー君をベッドに横たわらせたとこ。
何すんだ、と可愛く怒るシンタロー君に笑顔を返した僕がすることは、もちろん、耳攻め。
* * *
軟骨、っていうんだったか、この軟らかいところ。とにかくオレは、そこをカノの歯で食まれていた。カノからすればコリコリとした歯応えを感じているだろう。
「ふぁぁっ、や、カノ……耳、は、だめ」
「え、セトに息吹きかけられんのはいいのに?」
「そ、こでしゃべんな……っぁ」
いつもより少し低いカノの声が、鼓膜を震わす。耳にかかる声と息にぞくぞくした。
赤面した時耳も熱くなるけど、今はまさにそうなっている。熱くなっていて、しかも快感がプラスされて。
耳の外側ばかりを弄っていた舌が、内側に突っ込まれた。
「っひあぁぁ!? ひ、くんっぅ、あっ」
「…シンタロー君。僕ホント心配。耳敏感すぎ。襲われた時ひとたまりもないよ…」
オレなんか襲う奴いないって――なんて意見は、喘ぎの中に吸い込まれた。
どうして耳なんかで感じるんだろう。よく分からない。
角度を変えつつ差し込まれる舌は、どんどん奥へ行く。鼓膜が簡単に触れられるほど手前にはないことは知っているが、鼓膜に届くんじゃ、と不安になる。
舌が耳の内側を擦りあげる。唾液が耳の中に垂れていって、その冷たさに体が跳ねた。
「んふ、うぅっ、…や、カノ…っ、耳ばっ、か……あっぁう、ん」
「なあに、シンタロー君。他に触ってほしいとこでもあるの?」
「ん…お、しり、っさわって…!」
「え」
カノの驚いた声。それにさえも感じたが、一瞬後、オレも自分の言ったことに驚いた。
こんな、おねだりみたいな言葉を、オレが言うなんて。
驚きのあまり固まっていると、後孔にカノの指が突っ込まれた。一気に二本。
「ぅっあっ、いた…っん、」
「だいじょーぶ。ほら」
「ふやぁ…、っは、ん」
耳を舌で弄られて、痛みがかなり消えた。どんだけ耳弱いんだ、オレは。
ず、と、蕩けた後孔に熱いモノが押し当てられた。これを耳に押し当てられたら…と想像して、穴がすぼまった。
ずんっ、と素早く体内に入ってきたカノは、オレが声を漏らすと同時にそれを引き抜いた。そしてすぐまた入ってくる。
「ひっあ! う、ん、あっあっあ、あぁ…っ」
「今日のシンタロー君、すっごく敏感…っ」
「は、ぁっんなこと、あっあぁ」
「んなことある、よっ。耳のお陰、かな」
「ふっやあ、っあっは……だ、め、イく…っ」
「ん、僕もっ」
びゅるるっ、とオレとカノから精液が飛んだ。途端にオレの意識は薄れていく。
気絶なんてはじめてだ。やっぱりオレは、耳が弱いのだろうか。
END.
* * *
なんだか耳攻め要素を活かせていなくてすみません。ちなみに私の初作品は耳攻めR16だったりするのですが、あれから進歩してますでしょうか。……退化している気がする。
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