短編
□わんこーる
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今日のシンタローさんは、いつもと違った可愛さをしている。何が可愛いって、猫耳な形がついてるフードのパーカー(赤色)を着ているところが。普段ジャージだから新鮮だし、何より、やっぱり可愛い。
シンタローさんはもじもじと足を擦り合わせて、手で軽く膝を引っ掻いて、上目遣いに俺を見ている。ちなみにここは、俺の部屋のベットの上。これは誘ってると受け取っていいんすかね…?
五分くらい前にやって来たシンタローさんは、「セトの部屋行きたい。いみゃ、すぐに」と噛みつつ俺に擦り寄ってきた。デレ期と期待してシンタローさんを部屋に連れてきたけど、押し倒そうとしたら止められた。
それからシンタローさんは、俯いて黙ったまま。赤い顔と猫耳フードパーカーのコラボは俺の理性を砕いていく。だから、できれば押し倒させてほしい。
すいっ、とシンタローさんは立ち上がった。
「……帰る」
「え!?」
少しよろけながらもドアへ歩くシンタローさん。俺はシンタローさんの手首を掴んで、それを止める。触れたところから伝わってくる熱さに驚く。
「熱あるんすか?」
「ち、ちがっ…」
「でも熱い……」
「いいから、はなせっ……」
力のないシンタローさんの抵抗に抵抗することは簡単だった。俺の手はびくともしない。
それでもシンタローさんは抵抗を続ける。蹴ってきたり、身をよじったり。そして猫耳フードに覆われた頭が激しく振られ、フードが脱げ、
真っ黒い、猫か犬のものとしかいえない耳が、現れた。
* * *
うちの家系は、稀に、オレみたいに犬耳と尻尾が生える人間が生まれる。耳と尻尾の形は柴犬のもの。
生えるといっても、24時間365(または366)日生えているわけではない。正真正銘の犬の発情期に、それは生えてくる。生えても人間の耳はなくならないので、耳は四つになる。そして、生えている間は発情してしまう。
つまり今、オレはとてもムラムラしている。
「……セト。この状況は一体なんだ…?」
「犬耳シンタローさんを鳴かせるための状況っす」
ムラムラしているから、本能としては抱いてもらいたい。けど、理性がそれを恥ずかしがる。
なのでオレは、セトに一応の抵抗をしていた。
バレてしまっては仕方ない、とうちの家系のことは話した。信じないだろうと思っていたら、抱えあげられてベットに放られた。起き上がる前に押さえつけられてこの状況。
「獣耳プレイ、一回やってみたかったんすよね〜」
「バッ……信じたのかお前。この話」
「シンタローさんがこんな嘘つくわけないじゃないすか。というわけで、いただきます」
「待て、こらっ、……っひゃうん!」
言うが早いが、セトはオレの耳(犬の方)を舌でグリグリ押して、舐め回してきた。耳に温かいお湯が入ったらゾワッと気持ちいいけど、それが強烈になったような快感に襲われる。
「やっ、あっあんっ、み……みみ、っやめ…」
「はは、ちゃんと性感帯になってるんすねえ、ここ。……じゃあこっちはどうっすか?」
「あ、ぁ……やあぁっ!?」
尻尾の根本を指で押された。尻尾はズボンに突っ込んで隠してたのに…。
まるでちんぽをするようにしごき、先っぽにクッ、と爪を立ててグリグリする。尻尾の正しい愛撫の仕方である。
舌はいまだに耳をなぶっている。感じてピクリと動き、舌に押しつけてしまい、さらに感じてしまう。
「ひ、ゃあっ……だめ、やだっ、あぅ、っ、ぐりぐりだめぇ…っ、しないでっ…ふぁあっ」
「イヤっす――にしてもシンタローさん、いつもより感じてるっす。興奮してるんすか?」
「や、ちがっ、」
「興奮してるんすねー」
「ちが、ばかぁ…っ」
興奮してるかもしれないけど理由はそれだけじゃない。
犬耳と尻尾は、乳首やちんぽ以上に敏感で。だから、今みたいにくにくにされたりぐちゅぐちゅされたりすると、いつもより気持ちいい。
シャツを捲りあげられて、尖った乳首を指で押し潰される。耳は歯で甘噛みされながら舌でくすぐられている。尻尾は指で毛がくしゃくしゃになるくらい擦られている。
「ひっ、ぅう…やっ、あ、あっ、はぁんっ、……へんになる、っやぁ」
「イくっすか?」
「ん…っ、イっちゃ……ひゃぁあっ」
頷いた瞬間、尻尾を持った手がちんぽの先に爪を立て、オレはいつもより早くイってしまった。
セトがオレの足を開かせ膝を立てさせる。
「…シンタローさん」
「……な、に…」
「ちょっと試すっすね」
「は? ……ひゃいっ!?」
何だ、これ。お尻に何か入ってくる。指でもちんぽでもない、太さはそれらの真ん中くらいの――
「尻尾突っ込んでみたんすけど……いけるっすね」
「へ? や、やだっ抜い……ふぁっ」
尻尾が前立腺をかすった。思わずセトの袖を握りしめる。
セトの手で動く尻尾が、何度も前立腺を突き上げた。
「ひっ、あっあん! ぬい、てっ、あっあっ、ふえ…っ、んやぁ」
「もうちょっとだけ…」
「や、やらぁ…っ、ひんっ、ああっん、セトの、ほしい、からぁ…っ」
「……、反則っす…」
「……ふ、ぁ、っんん…っああっあん!」
勢いよく尻尾を抜かれ、オレはまた白濁を飛ばした。
達した余韻に浸っていると、お尻に熱いものがあてがわれた。穴が疼いてキュンッと締まる。
実に満足げに笑うセトが、汗で頬についたオレの髪をのけた。
「じゃ、入れるっすね」
「ん……ひやぁっ」
ぐぷん、と一気にセトのが入ってくる。セトがオレの耳を指でくに、とつまむ。
「すっごい熱い」
「ひゃ、ああっ、ひ、やあぅ、あっ、う、うるさい…っ」
「……耳、ビクビクしてるっす……かわいい」
「ふぃ…っ、あっ、やら、だから、みみはらめっ、ああっ、ふに…」
「シンタローさん…」
ズン、とセトの質量が増す。
「かわいすぎっす」
そして最奥を突かれ、オレは三度目の白濁を散らす。同時にオレの中に熱いものが流れる。
「ひあっあっああっ、あ……、ん、あつ…っ」
「獣耳プレイ、またやりましょーね」
耳を一撫でして、セトは自身を抜いた。
* * *
「次の発情期はいつっすか?」
「…出てけ」
「俺の部屋っすよ、ここ」
セトはまたオレの耳をいじっている。さすがに今は感じないが、感じる一歩手前の気持ちよさは感じた。
「そういやシンタローさん、もしかして発情期の間、いつも抜きまくってるんすかいだだだっ」
アホなことを抜かす顔を引っ掻いてやった。耳も尻尾も生えるくせに、爪が鋭くならないのが不服だ。
そっかー抜きまくりなんすねー、とセトが言った。なぜわかった。
「ヤりたくなるから、外にはあんま出たくないんだよなー…」
「じゃあなんで俺のところに来てくれたんすか?」
「会いたかったから」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………今のなしで「無理っす」……」
いつもはこんな簡単に口が滑ったりしないのに。
耳と尻尾が生えると、滑りやすくなるのか?
END.
* * *
30000hit企画。
獣耳ということで犬耳にしました。勝手に尻尾つけてすみませんorz セトシンR18は実は初めて。カノシンR18とはまた何か違いますね。研究的な感じでケンシンにしても美味そうです。
……どうしてこのタイトルになったのか。
赤坂様のみお持ち帰りOKです。書き直し受け付けます。