説話1

□月下香
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※元ネタ R指定/毒盛る(参考程度に警戒区域『D』)
※流血注意

7月19日。
がりがりと、まだ新しいローファーを擦りながら歩く音が住宅街に響く。夕暮れ時で主婦は晩御飯の支度をしてるにせよ子供一人くらいいてもおかしくない時間帯なのに、少しばかり不思議に思う。
そして、我が家。消えて無くなれ。何回願っただろうか。この家だけ他の家と違って暗いが雰囲気が見える。学校が終わってすぐ自宅へ足が向く自分も恨めしかった。入学して暫く経つのにクラスにも馴染めない。当然部活動にも入っておらず、自宅以外に行くところが無いのだ。
扉を静かにあけ、無言で中に入る。丁度ママも夕飯の支度をしているらしく、何かを潰す音が聞こえた。
自分の部屋へ向かおうと階段を登っている最中に
「ただいまぐらい言いなさいよ。情けない」
ママの声が小さく聞こえた。

***
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