Aschenputtel
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2ヶ月間、仕事が終わったら演技の勉強をする日が続き。
今日から正式にモデルとして、LDHで働くことになった。
ヒロさんが言っていた、三代目JSBは念願のデビューを果たし、忙しい日々を送っているらしい。
来月にはセカンドシングルを出すというから驚きだ。
ヒロさんからもらったCDを聴いて、私もすっかり彼らのファンになった。
登坂くんのキレいな声に、今市くんの深みのある甘い声。
でも、見た目は怖そうで、同じ事務所とはいえ、できれば会いたくない。
ヒロさんに言ったら笑われたけど。
今日はEXILEメンバーで会議をする予定らしく、ついでに挨拶をしようということに。
あの厳つい人たち14人に囲まれる日が来るとは....
テレビではいい人そうにしてるけど、実際は絶対やんちゃに決まってる。
タトゥーとか入れちゃってるし、色黒いし、サングラスだし←
敬浩さんなんて絶対チャラいし。
HR「空ちゃん、そろそろ会議室行こうか」
『は、はいっ』
HR「緊張しなくて大丈夫だよ。みんな、いい奴だから」
............そりゃ番長の前では大人しくするだろうさ。
すぐに辿り着いた会議室。
すでにメンバー13人と、数人のスタッフが揃っていた。
「「お疲れーっす」」
ヒロさんが部屋に入ると一斉に挨拶し出す。
そして、後ろにいる私にみんなの視線が集まる。
こ、こわい。
HR「お疲れ。とりあえず先に紹介しようかな。今日からモデルとして働いてもらうことになった空ちゃん。2ヶ月前から演技の勉強も劇団の方でしてもらってたから、知ってるやつもいるかもしれないけど」
『お、おねがい、します。せ、精一杯、頑張り、ます』
HR「ははっ。緊張しなくていいって(笑).......見ての通り、めっちゃ可愛いけど、あんまり苛めないように(笑)」
TK「本当めっちゃ可愛いっすね」
MK「どこで捕まえて来たんですか?」
HR「カラオケ。めちゃくちゃ可愛くて歌上手い子がいるって密告があったから(笑)」
AT「なのに歌手じゃなくてモデル?」
HR「読モの経験者で、演技には興味あるけど、歌で食ってく気はないんだって。俺も歌は聴いてないからわかんないけど、なんでもいいからとにかく事務所入って欲しかったから(笑)」
MT「なるほどね〜」
US「ダンスは興味ないの?」
『え、あ、の....特に、は....あ、で、でもッ...え、えぐッざいる、さんはッ...テレビで、よく、見ます』
HR「ごめん。いきなりこんな多人数、怖いよね(笑)とりあえず座って」
ヒロさんと私の間に椅子が1つ用意され。
ヒロさんの右隣に1つ。
そして左側、私との間に1つ。
他の人は既に座ってるから、この椅子が私。
とりあえず座ったけれど、目線のやり場に困ってしまう。
誰かと視線が合ってしまったら怖いから、隣に座るヒロさんを見つめる。