新しい世界
□３
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空side
振り向いた先にあったのはとても信じられない、奇妙な光景で。
絨毯に座るガンちゃんの上にこちらを向いて座る女の人。
その２人は裸で身体を上下に揺らしていた。
さっきまで、私と敬浩がしていた行為を２人がしている。
なのに、幸せそうにも、淫らにも見えないのは女の人の首から血が流れているせいだ。
その首をペロペロと舐めるガンちゃんの舌。
女の人の頬を伝う涙。
その口からは「やめて」「助けて」と紡がれていて。
２人を囲むように座っているみんなの表情は楽しげで。
「助けて」と私の方に伸ばされる手。
『たか、ひろ...？』
何が起こっているのか私には全くわからない。
頭がついていかない。
救いを求めるように愛しい人を振り返るもその表情はみんなのように楽しげで。
何で、笑っているの？
何で、こんな事をしているの？
何で、助けてあげないの？
何で...
疑問に思う事はたくさんあるはずなのに１つも言葉にはなってくれなくて。