未来への希望

□たった一人で向かうもの
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『ねぇ、私達はずっと一緒にいられるかな』



『さぁな―――』








荒廃した大地に
無慈悲に響く破壊音









バキッ








「ぐぅ、あ・・・ぁ」

死は理不尽な形で突然訪れた。
理由なんてものも理不尽だった。

冷たい地が体温を奪っていく。

俺はまだ生きている。
喜ばしいことなのだろうが、今ではただの苦痛の延長としか思えない。

俺以外の仲間は・・・

目の前で潰された機械の残骸は俺達を僅かに映していた。


ボロボロで、血まみれで、まるでなすすべもなくやられた仲間の姿を。

隣で倒れている、瞳を閉ざし重傷した少女を。


「な、なぜ・・・・お、俺達を・・・・」




――――

―――

――





惑星ミートの地上げなんてものは簡単だった。

惑星ベジータの近くなのにどうして今まで襲撃されなかったのかと考えるくらいだ。

この惑星は全くもって戦力がなかった。
戦う者は勿論いたものの全員大した実力もなく、手ごたえがあったかどうかでいうとなかった。

ただ資源だけはあった。
この惑星を即制圧したことをフリーザ様に報告すれば、また新たに別の惑星へ戦いに行けるだろう。

バーダックは今だこなかったので、再びあの時のように囲み、彼が来るのを待とうということになった。

―仲間たちと他愛もない話をして、彼が来たら再びいつもの日常に戻る

あとはそれを待つだけ―



仲間の誰もがそう思っていた。

けれど、その日常のは突然一発のエネルギー弾によって終わりを告げられた。

一瞬、この星の残党だと思った。
だが明らかに違った。破壊力、そしてスカウターに表示される明らかにケタ違いの数値。

誰もが驚きを隠すことが出来なかった。

それは私たちがよく知っている人物だったから。





―それは彼がくるまでの間の出来事―





たった一瞬でも
私たちが最後まで未来へ向けた、最初で最後の抵抗―・・・。


それを知るのは、後にこの惑星へ訪れた彼とあいつらだけだった。
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