未来への希望
□見えるもの
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トオロと名のった人物は意味深な言葉を残して死んだ。
―滅び去る未来を見て精々苦しめ―
「へっ笑わせるぜ、俺たち無敵のサイヤ人が何を見て苦しむんだってんだったく」
「なぁ?バーダ・・・ん?」
突然、彼の体は前に傾きゆっくりと傾き始めた。
何かの術にかかったように、手で支えようとも受け身も取ろうともせず、まっすぐに。
「!バーダック!?」
「お、おいバーダック!!なんだなんだ、どうしたんだ!!」
「バーダック!!」
「しっかりしろ!おい!」
口々に倒れた彼に気付いた皆がバーダックへ必死に呼びかける。
しかし答えることもなく、彼はそのまま意識を失った。
彼は瀕死の状態になり、意識を失う直前にななることは多い。
だが意識を失うなんてことは今まだになかったからだ。
「・・・とりあえず、一旦報告も兼ねて惑星ベジータに戻るぞ!!」
彼を抱えながらそう叫んだトーマに対し、全員が同意した。
理由がどうであれ、かつてない状態の親友のがよっぽど心配だからだ。
「・・・バーダック」
キニーズは何か突っかかるものを覚えながらも、抱えられた彼を見守りながら後に続いた。