未来への希望

□失ったもの
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「バーダック、大丈夫かねぇ・・・」

「大丈夫さ、なんだってバーダックだからな」

「答えになってない、それ」

キニーズはトーマの腰をバシッと叩くと
少し先にいるセリパのところへと走って行った。
それを見送りながら、トーマはふと笑った。


「バーダックのやつ、怒るだろうな」


「俺のことを置いていきやがって!!」などと言いながら彼は後からあの惑星にやってくるだろとトーマは思った。

サイヤ人は戦闘が好きだ。
だからこそ、自分の失態で戦闘に不参加などはアイツの性格が許さないだろう。

たぶん、奴が来るころには惑星ミートくらいなら制圧済みの筈だ。

アイツがきた時には大丈夫かと一応聞いてみよう。

たぶん「うるせぇ・・・」などと言いつつも、アイツなりの返事をくれるはずだ。


「トーマー!早くいくよー!!」

向こうでキニーズが呼んでいた。
彼女達がいる場所はポッドの発射場所だ。
パンブーキンなどが早くしろよというかのように、ポッドに手をかけて待っている。

「バーダックが来る前に終わらせてやらぁ!」

「アイツがちょっと悔しそうな顔を見てみたいからね」

「よーし、5人でさっさと終わらせよー」

「おう、待たせて悪いな・・・いくか!」


それぞれがポッドに乗り込むと、間もなく惑星ミートへ発射された。

これからの戦いに余裕の笑みを浮べる者や、静かに到着を待つ者。

そして僅かながら、嫌な予感を胸にしつつも戦いを楽しみにするキニーズ。

5人の乗ったポッドは宇宙を並ぶように横切って行く。

あっという間に過ぎ行く星々を眺めながら、キニーズは彼のことを考えていた。

早く、目覚めてくれないだろうか。
彼がいると退屈しない。素っ気ないところが多いが、彼とする組手はこの上なく楽しいのだ。
多少、今回おいて行ったことに怒りはするだろうが彼は仲間には優しいことを知っている。

今回の地上げが終わったら、目覚めた彼とまた一緒に組手をしよう。

きっと、すぐに来てくれるはずだ。



思い描いているうちに、惑星ベジータからさほど離れていない惑星ミートはもうすこし先まで迫っていた。
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