小説 1*
□Distance...
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ずっと一緒だと思ってた。
おぎちゃんはゆりあにいつも元気をくれて。
日に日におぎちゃんが好きになった。
ゆりあのお姉ちゃんで、大切な彼女
それなのに、卒業なんて…。
現実を受け入れられなかった。
「はぁ…」一人ため息をつく。
今日は小木ちゃんと2人っきりの仕事。
いつもならいっぱい甘えて、
おぎちゃんにずっと触れていたいのに。
今は、おぎちゃんと一緒にいるのが怖い。
"もう、一緒にはいられない"
会うたびに別れのことを考えてしまう。
「黄金伝説チェックしてね♪」と
メールがあったから、ちらりと見たけど
卒業って文字がテレビに映ったら、
テレビを見るのが辛くなった。
そんなゆりあのことを知ってか
おぎちゃんが「会いたい」というメールが今来た。
「会いたい」とは思ったけど
今、会ってしまえばきっと辛くなる。
今日は仕事で東京に来てる。
幸いホテルは違うから、会おうとさえ思わなければ
きっと会うことはない。
「ごめん、今日は忙しいんだ」と
メールを返信してベッドにうずくまる。
「辛いな…」
そう呟くと瞼が急に重くなった。
自分の身体が闇に飲み込まれていくのがわかった。