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□漂流教室◆
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「当たった当たった当たった当たったぁぁぁ!!!!!!!」
昼休み、教室中に響き渡ったナオの声。
「どうした??」
近くで叫ばれたせいてキーンとなる耳を押さえて、俺は言った。
「治!!当たった!!」
「だから何がやて」
「JBLのファイナル戦の招待券!!!!」
興奮しながら言うナオ。頬真っ赤やし…可愛い。
って、JBL!?
「Σまじでか!?」
【JBL】…日本バスケットボールリーグ。つまり、国内バスケのプロリーグ。サッカーで言うJリーグ??野球やとプロ野球とか。そんな感じ。
「ファイナルて…アイシンと東芝やったよな??」
「うん!!あ〜まじ泣きそー。東芝を生で見れるんだぜ!?」
ナオは極度の東芝ファン。テレビで試合が放送される日は、ビデオまで録画して、試合終了まで画面に齧り付く。
「生で節政(セツマサ)のプレイ見れるなんて…俺、死んでもいいっ!!」
目をキラキラさせながらナオが言う。嬉しいのはかなり分かる…けど、そう嬉しそうに他の男の話をされると、こっちとしてはやっぱ少しはムカツク訳で。
「節政…??ポイントガードやったら佐古(サコ)のがええやろ」
ちょっと意地悪も言ってしまう訳で。
「はぁ…??」
思いっきり睨まれた。