ユグドラ・ユニオン

□届かない手を
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君の背中は遠い…

どうして、こんなに遠いのかな…?




どうして…
手が届かないんだろ…








「どうしたんだ、キリエ?」

キリエの前を歩いているミラノが振り返る。
アルに乗って低空で飛んでいたキリエは、ミラノの声により、ふと我に返る。

「ううん、なんでもないよ!!」

キリエは首と手を横に振ると、ミラノは「そうか…」と言い、再び進行方向を見た。

キリエはふぅ…と溜め息をつく。


少し前までは一緒に歩いているように感じていたんだ

でも今は……
王女様と一緒に歩いているみたいで…



不安…だったのよ



「手を伸ばしても伸ばしても、届かない…。」


君の背中に届かない…



キリエは滲んだ涙を片手で拭い、歩くミラノを追い抜いた。
泣き顔を悟られないように。

「あ…」

あっという間に王国軍の列を抜けたキリエが空へと消えた。

「本当にどうしたんだ…キリエの奴。」

どんどん見えなくなるキリエの後ろ姿に思わず手を伸ばしてみる。
届くわけがなく、その手は虚しく宙を泳ぐ。



君の背中に届かない…
この手が、届かない。



「どうかしたのは…オレの方かもな。」

ミラノは苦笑しながら手を戻した。
キリエの姿が見えなくなった空はどこか淋しい感じがした。


「キリエがオレの手の届かない、どこか遠くに行ってしまう…。どうして、そう思ったんだろうな…。」



どうして、君の背中に手が届かないんだろう…?







………
私がミラキリ書く際に、悲恋になる現象をどうにかして下さい。

互いにすれ違いを感じさせてみました。


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