*お宝お年賀話の部屋*

□H.A様からのお年賀話
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「なあ、サンジ。」
低く、優しい声に、理性が抑え切れそうにない。それでもサンジは必死に目を瞑った。
「サンジ、・・・好きだ。」
滅多に聞かないゾロの言葉に、抑えていた理性は弾けとび、サンジはゾロを強く抱きしめると、彼の唇を強引に奪う。必死に口内を犯すサンジに抵抗もせず、ゾロはサンジの髪を梳いた。
「なんで抵抗しねえんだ。犯すぞ。」低い声でサンジは言う。
「なんだ、起きてんじゃねえか。返事しろよ。」ゾロが穏やかに答える。
「サンジ。悪かった。泣かせてごめんな。」
「・・・泣いてねえ。」震える声でサンジが答える。
「本当に?じゃあもう俺の役目は終わりだな。」
そういうと、ゾロは毛布から出ようとする。そんなゾロをサンジは後ろから羽交い絞めにする。
「い、行くな。」ゾロを振り向かせながらサンジは必死に言った。
「お前が素直なら、俺はどこにもいかねえよ。」今度はゾロからのキス。刺々しい気持ちだったのが、嘘の様に晴れていく。
「ゾロ、うまく雑煮作れなくてごめん。」
泣きながら自分を見つめるサンジに、胸が痛む。
「いや、まじでうまかったって。お前は何にも悪くねえんだよ、わりいのは俺なんだ。」
「でも、でも、昨日みたいに笑ってくれなかった。」
ぽろぽろと綺麗な目から流れる涙を、勿体ねえなあと思い、ゾロはサンジの目じりに唇を寄せた。
「ごめん、こんなに泣かせるとは思わなかったんだ。何でもするから、機嫌直せ。」

「じゃ、じゃあ、たまにでいいから、俺に笑ってよ。お、俺だけ甘やかしてよ。それが無理なら、俺の気持ちが重いなら、は、はっきり言ってくれ。そしたらもうこんな事いわねえから。」
不安に揺れるサンジの目に見つめられ、ゾロは心の中でため息をついた。
はあ、っつーかこんだけ甘やかしてて、体まで開いてんのになんでこのアホはわかんねえんだか。
しかもこんな情けねえ顔がかわいく見えるなんて。
「や、やっぱ無理か。そうだよな。で、でも俺、俺はっ」
「なあ、サンジ。」ゾロがゆっくりとした口調でサンジの言葉を遮った。
「俺はお前じゃねえから、愛の言葉を一晩中囁いたり、常に気を使ったりってのはできねえ。でも、お前が好きだって真剣に言うのも、寝てるときに愛してるって言われるのもすげえ好きだし、重いなんて思った事ねえよ。」
「サンジ、いい加減気付け、俺だって十分お前が好きなんだぜ。」

腕に感じる痺れにサンジは目を覚ます。どうやら泣き疲れて寝てしまったようだ。目の前には愛しいゾロの寝顔。
無意識に腕枕をしていた左腕は痺れてなかなか動かない。
「うん・・・?」
「ごめん、起こした?腕痺れたから抜くね。」
「ああ。」
二人とも大きなあくびをしてゆっくりと起き上がった。
「泣き止んだみたいで良かったな。」
「な、泣いてねえ。」
「はは、よく言うぜ。」
「・・・迷惑かけて悪かった。ごめん。」
「こっちこそ、悪かった。」
「まあ、とにかく、あけましておめでとう、ゾロ。今年も宜しくね。」
「おう、あけましておめでとう、サンジ。今年も宜しく。」
二人の間に穏やかな空気が流れる。
「ところで、ゾロ。雑煮、うまかったのにあんまり反応良くなかったのなんで?」
「・・・ああ。もちがな、俺のが三つでルフィのが四つだったから。」
「はあ?なんだよ、そんなことかよ〜。言ってくれれば増やしたのに。」
「だから、俺もガキなんだよ!言わなくても分かるかと思ったんだよ、わりいか!?」
「・・・・ゾ、ゾロ〜!やっぱお前かわいい!本当に愛してる!明日からゾロのだけ十個は餅いれるから!」
「いや、そんなには・・・・。」
あまりの大げさなサンジにあきれながらも、ああ、こんな笑顔が見れるなら、餅十個位完食出来るな。
そう思い、ゾロも、愛しい恋人に向かって、最高の笑顔で、笑った。






END
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