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□ヘッドフォンアクター
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その日は随分と平和で
いや､いつもと変わらない
平凡･･･そんな日だった
なにげなく､ラジオを
自分の部屋で聴いていた
するとラジオから急に
｢･･･非常に残念な事ですが
本日地球は終わります･･･｣
と何処かの国の大統領が
泣きながら話をしていた
｢うそ･････｣
慌てて窓を見ると
鳥たちが空を覆い尽くすように
いや････大渋滞を起こしながら
何処かへと向かっていた
やりかけていたゲームの電源を切る
｢あ･･････セーブ忘れてた｣
とりあえず､机にゲームを置いた
机を見ると､ほとんど手を着けていない参考書や辞典などがあった
｢｢非常に残念な事ですが、本日地球は終わります｣｣
あの大統領の言葉を思い出した
まだ信じられない私は
自分を落ち着かせる為に
すぐにヘッドフォンをし
自分の部屋を飛び出した
適当に曲を選び流した
選んだといっても
アーティストの項目も
タイトルの項目も全てが
不明な為に何が何だか
私ですら分かっていない
そう思っている間にも
何かの曲らしきものが流れていた
しかしそれは･･･
｢生き残りたいでしょ？｣
曲なんかじゃなく
何処かで聞いたことのある声だった
例え人がどんなにたくさんいて
騒いでいてもその中を
波立たせるような甲高い
あの声は･････
聞きあきてしまった
自分の声だった
私の考えはお構い無しの用で･･
いきなりヘッドフォンから
｢あの丘を越えたら20秒で･･･
その意味を嫌でも知ることに
なるよ。
疑わないで･･･
耳を澄ませたら20秒先へ｣
自分の声で言われたその言葉を
信じない訳にも行かないわけで
声の言うようにあの丘を目指して私は
駆け出した