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□いつでも
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いつでもくっついていたいんです。
あなたと。


宍戸さんを足の間に座らせて、後ろからギュッと抱きしめる。
「くすぐってぇよ」
そう文句を言いながらも、宍戸さんは決して俺を邪険にはしない。
だからつい、こっちも歯止めがきかなくなるんだ。
俺に抱きしめられたまま、宍戸さんは全く意識していないのかさっきから雑誌を捲っている。
宍戸さんの指先がいやらしい。
そんなこと言ったら、「そんな目で見るおまえがいやらしいんだよ!」と怒られてしまうだろう。
相手にしてもらえない俺は、宍戸さんの服の裾から手を入れた。
「ひゃっ!」
宍戸さんが裏返った声を上げる。
「長太郎の手つめてぇ〜」
そう言って、服で俺の手を包む宍戸さんがカワイイ。
やっておいてなんだけど、てっきり「何すんだよ!」って怒られるかと思った。
宍戸さんと付き合うようになって、宍戸さんが二人きりの時はすごく俺を甘えさせてくれる人なんだと知った。
「おまえって冷え性?」
「さぁ......どうなんでしょうか」
「すっげー冷たい。きっと冷え性だな」
そう決めつけると、読んでいた雑誌を閉じてしまった。
「読み終わったんですか?」
そう聞くと、宍戸さんは俺の足の間でくるりと体の向きを変えた。
そして俺の腰に手を回す。
「寒がりな長太郎をあっためる方が先かなって」
「宍戸さん......」
やっぱり宍戸さんは優しい。
そして俺のことをすごく分かってくれてる。
嬉しくて、そして改めて宍戸さんが大好きだと実感した。
あぁ......あなたは一体どれだけ俺を夢中にさせれば気が済むんですか?
目の前の宍戸さんを思い切り抱きしめる。
そして、できるだけ俺の想いが伝わるように願いながら、何度も何度もキスを落とした。


終わり

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