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□鳳長太郎のライバル2
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「宍戸先輩!」
今日は仕事がなかったから、放課後、部活が終わる先輩を部室の死角で待ち伏せていた。
もし鳳と一緒だったら、今日は声をかけないで、宍戸先輩の姿を一目見ただけで帰ろうと思ってた。
だけど、幸運なことに宍戸先輩は別の先輩と一緒に部室に戻ってきた。
「高瀬?」
先輩が驚きで目をぱちくりさせている。
カワイイ〜。
オレが先輩の表情に見惚れていると、横から忍足先輩が「おまえ、2年の高瀬やろ」と声をかけてきた。
「あ、どうも」と当たり障りない挨拶をすると、宍戸先輩が「おまえら知り合い?」と、どちらにともなく聞いてきた。
「いや、初対面や」
忍足先輩がオレを振り返り「な?」と同意を求めてきた。
「ですね。でも、テニス部の正レギュラーの先輩方は有名ですから」
そう応えると、忍足先輩がニヤリと笑った。
「そんなこと言うて、自分のが有名人やん」
忍足先輩の言葉に、宍戸先輩がオレを見る。
「おまえ、有名人なの?」
「いや、そんなことないですよ」
苦笑混じりにそう言うと、忍足先輩が「嘘ついたらあかんで」と口を挟んできた。
「2年の高瀬って言ったらイケメンで有名やん。モデルもしてるし」
「そうなんだ.....」
宍戸先輩は改めてオレの顔をまじまじと見てきた。
上目使いがたまらないんだけど。
って言うか、鳳はいつもこの角度で先輩を見てるのか。
そう思ったら、嫉妬で胸の奥がギュッとなった。
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